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日本の税金 第3版

複雑な日本の税金の仕組みをコンパクトにわかりやすく解説する,定評ある入門書

日本の税金 第3版
著者 三木 義一
通し番号 新赤版 1737
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 経済
刊行日 2018/09/20
ISBN 9784004317371
Cコード 0233
体裁 新書 ・ 252頁
在庫 品切れ
日本の税制は複雑でわかりにくい.政治家と官僚まかせで作られた制度を,市民の目線で見直し解きほぐす.所得税,法人税,相続税,消費税,地方税,間接税,国際課税.その基本的な考え方,導入の背景,問題点などをコンパクトに解説する.定評ある入門書の最新アップデート版.税金の仕組みをすぐ知るのに最適な一冊.
序 章 私たちは誰のために税を負担するのだろう?
 政権交代・再交代/地震・原発大災害/二一世紀の資本/まず税制を知ろう

第1章 所得税――給与所得が中心だが
 1 「所得」税と給与所得
  「収入」と「所得」/給与所得控除/サラリーマンの必要経費/サラリーマンにも実額控除可能?/事業所得者の必要経費/家族労働の必要経費性/住居の維持費
 2 誰の所得なのか
  夫婦の所得?/課税単位/夫婦財産契約
 3 「所得」に課税するのか,「人」に課税するのか
  総所得金額/人税としての所得税/基礎控除額で人間が生活できるだろうか/課税最低限のまやかし/配偶者控除論争/医療費控除等
 4 累進税率の意味
  超過累進税率/税額控除か所得控除か/控除から手当へ/給付付き税額控除/住民税負担
 5 所得税をどう改革すべきか
  建前の応能負担/所得の把握と番号/税のグローバル化

第2章 法人税――税率引下げ競争の行く末
 1 会社の税金の実態
  法人税率は高いか/赤字法人/多い法人数
 2 法人税の仕組み
  法人の所得/会社の建前と法人税/同族会社/受取配当益金不算入/交際費損金不算入/税率/公益法人課税/組織再編税制の台頭
 3 会社の所得は誰のものか
  法人擬制説と実在説/選挙権のない法人/法人税の方向

第3章 消費税――市民の錯覚が支えてきた?
 1 錯覚する消費者
  痛みを感じた消費税/誰が払うべきなのか/誰に払っているのか――免税業者/誰に払っているのか――簡易課税業者
 2 複雑で,不公平でもある税制
  どの取引に消費税がかかるのか/複雑な税制/消費税は付加価値税/仕入税額控除否認/逆進性と軽減税率/消費税と滞納
 3 どうなるのか消費税
  税率アップと非課税/ゼロ税率/給付付き消費税額控除/高齢化社会と消費税/正規雇用と付加価値税

第4章 相続税――取得税方式に徹底すべきでは?
 1 制度疲労に陥っている税制
  相続額が同じでも/遺産取得税方式から折衷方式へ/死亡件数一〇〇件のうち,相続税がかかるのは?/法定相続分でまず計算/取得額が同じでも税負担増/連帯納付/右肩上がりの税制/通達で評価/事業承継
 2 相続税をどう考えるべきか
  相続廃止は可能か/遺産取得税方式の徹底へ/相続三代続くと
 3 贈与税の仕組みと問題点
  贈与税は補完税/相続時精算課税の導入/いつ取得したか/法人への贈与は注意

第5章 間接税等――本当に合理的で必要なのか?
 1 税が酒を造る
  ビール業界と大蔵省のいたちごっこ/分類差等課税/ビールは高級酒?/いたちごっこの終焉?/免許は必要か
 2 たばこ増税の攻防
  たばこにかかる四種類の税/四重課税か/増税で禁煙させられるか
 3 暫定が恒久化する自動車関係税
  引上げは暫定?/特定財源の攻防/環境税化へ
 4 様々な流通税
  各種の流通税/相続させる遺言と登録免許税
 5 不思議な国税
  電源開発促進税/森林環境税

第6章 地方税――財政自主権は確立できたのか?
 1 地方税の仕組み
  地方税条例主義/不明確な規定/三割自治は変わらず
 2 事業税
  「事業」に課税/外形標準課税
 3 固定資産税
  台帳課税主義/バブル後遺症/家屋はなぜ下がらない/時価に連動すべきなのか/課税ミスの連続
 4 都市計画税
  固定資産税とどう違う/都市計画財源として機能しているか/都市計画への住民参加と都市計画税の再生
 5 法定外税等
  自治体独自の税/実際の導入例/超過課税

第7章 国際課税――国境から税が逃げていく
 1 逃げる納税者
  タックス・ギャップ/「居住者」か否か/住所か国籍か/内国法人・外国法人/税金分捕り合戦
 2 パナマ文書,パラダイス文書の衝撃
  国外逃亡と徴税/パナマ文書・パラダイス文書/国境を超えた税――国際連帯税が出国税に

終 章 税金問題こそ政治
 反税の義賊=ロビン・フッドは今?/財政ポピュリズムの台頭/毎年の税制改正手続とその公正化

あとがき
三木義一(みき よしかず)
1950年 東京都に生まれる
1975年 一橋大学大学院法学研究科修士課程修了,法学博士
専攻―税法
現在―青山学院大学学長,弁護士.民間税制調査会メンバー.元政府税制調査会専門家委員会委員
著書―『日本の納税者』(岩波新書,2015)/『よくわかる税法入門(第12 版)』(編著.有斐閣,2018)/『よくわかる法人税法入門(第2 版)』(編著.有斐閣,2015)/『よくわかる国際税務入門(第3 版)』(共著.有斐閣,2012)/『新実務家のための税務相談(民法編,会社法編)』(監修.有斐閣,2017)/『税ってなに?』(監修.かもがわ出版,2014)ほか

書評情報

週刊新潮 2018年10月18日

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