世界 2018年10月号

特集1:安全神話,ふたたび  特集2:沖縄 持続する意志

世界 2018年10月号
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ジャンル 雑誌 > 世界 > 定期号
刊行日 2018/09/07
■特集1 「安全神話,ふたたび」
 原発が,ふたたび稼動しつつある.
 「世界最高水準の規制基準」,「厳格な安全審査」,「安全確保を大前提にした再稼働」……“安全神話”がふたたび息を吹き返している.破滅的な被害をもたらし,今なお多くの人びとを苦しませている3・11が「なかった」かのように——.
 原発事故の被災者は,現在にいたっても被害を訴え,生きるための権利を主張しなければならない状況に置かれている.この不条理をもたらした責任は,誰にあるのか.
 事故を起こした東京電力の幹部たちの刑事責任を問う訴訟の中で,官民一体となった「意図的な不作為」を示す多くの事実が明らかになりつつある.
 安全神話の“復権”を阻止するために,いま何が求められているのか,議論を確認したい.

■特集2 「沖縄 持続する意志」
 7月27日,沖縄・辺野古の埋め立て承認の撤回を表明する臨時の記者会見.翁長雄志知事は自らの発言後,記者からの質問に応じる中で,次のように述べた.
 「アジアのなかの沖縄の役割,日本とアジアの架け橋,こういったところに沖縄のあるべき姿があるんではないかと思う.いつかまた切り捨てられるような沖縄ではできない.この思いをみんなでどういうふうに共有して何十年後の子や孫にね,私たちの沖縄は何百年も苦労してきたんだから,そしてそれが十二分に可能な世の中になってきているんで,そういう中で飛び立とうとしているのを足を引っ張ろうとして,また沖縄は振興策もらって基地を預かったらいいんですよなどというものが,これから以降もあったら,……私からすると容認できないというような思いだ」
 急逝した翁長知事の後継を問う知事選挙が行なわれる.9・30に何が問われるのか.緊急に特集する.
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┃特集1┃安全神話,ふたたび
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〈手記〉
原発訴訟と裁判官の責任――3・11後の司法をめぐって
樋口英明(元裁判官)

〈証言〉
歪められた地震予測――3・11の犠牲をもたらした構造
島崎邦彦(東京大学名誉教授)

〈くり返させないために〉
福島原発刑事裁判の意味――生きる尊厳を取り戻したい
武藤類子(福島原発告訴団団長)

〈報告〉
原発事故の責任は明らかにされつつある――東京電力刑事公判の現段階
海渡雄一(弁護士)

〈ルポ〉
語りにくさと子どもたち――原発事故の時,私は小学生だった
吉田千亜(フリーライター)

〈検証〉
事故検証を続行する新潟県技術委員会——そして,原子力規制委員会は何をしているのか?
田中三彦(科学ジャーナリスト)

〈逃げられない〉
東海第二原発に緊急事態が起きたら首都圏は?
上岡直見(環境経済研究所)

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┃特集2┃沖縄 持続する意志
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〈追悼〉
県民の代表者,翁長知事を悼む――意志を継ぎ,分断を越えていく
呉屋守將(金秀グループ会長)

〈「あきらめ」を拒むために〉
マヨネーズなみの地盤の上に軍事基地?――辺野古新基地の不可能性,さらに
北上田 毅(元土木技術者)

〈「座り込み」の権利〉
基地建設反対運動の正義――沖縄における人権侵害を国際社会に訴える
星野英一(琉球大学)

〈辺野古へ!〉
930に問われるのは誰か
目取真 俊(小説家)

〈沖縄(シマ)という窓 特別篇〉
魂の政治家が遺したもの――翁長雄志知事と沖縄の尊厳
松元 剛(琉球新報)

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◆注目記事
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〈五年九カ月の言葉〉
安倍政権ファクトチェック100
南 彰(朝日新聞)・望月衣塑子(東京新聞)

〈ある道徳教科書〉
「私たち日本人」はトキが自由に飛び回る日の夢を見るか
早川タダノリ(編集者)

〈論壇のゆくえ〉
右派論壇の流通構造とメディアの責任
倉橋耕平(社会学者)

〈杉田水脈問題〉
差別発言と,政治的文脈の重要性
岡野八代(同志社大学)

〈LGBTへのバックラッシュ〉
「非政治化」されるプライド・パレード
川坂和義(デュッセルドルフ大学学術研究員)

〈ルポ〉
シリア内戦・兵器供与の闇(下)――兵器のバルカンルート
村瀬健介(TBS)

〈構想〉
いかなる南北連合をつくるのか――キャンドル革命時代の朝鮮半島
白楽晴(『創作と批評』名誉編集人)

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◇世界の潮
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◇「ユダヤ人国家法」制定――成文法化された植民地主義
岡 真理(京都大学)

◇トランプの貿易戦争――最後の保護主義モンスター?
内田聖子(PARC)

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●連載
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●ルポ・スペイン発「もうひとつの世界」を創る【第2回】
補完通貨が生む「つながり」
工藤律子(ジャーナリスト)

●ルポ・軍事列島【第5回】
横田――軍事拠点化する首都の米軍基地
半田 滋(東京新聞)

●パチンコ哀歌(エレジー)【第7回】
〈マシン・ゾーン〉 
古川美穂(フリーライター)

●神を捨て,神になった男 確定死刑囚・袴田巖【第20回】
「神はお見通しなんだね」
青柳雄介(ジャーナリスト)

●新語解題【第8回】
「生原稿」——最初の世界を見つめる
荒川洋治(現代詩作家)

●アパレル興亡【第14回】
黒木 亮(作家)

●海の底から【第18回】
金石範(作家)

●私的小豆島名所【その39】
内澤旬子(イラストルポライター)

●映像世界の冒険者たち【第6回】
家のなかの死——マルコ・ベロッキオ
四方田犬彦(比較文学・映画研究家)

●中国新建築文化論【第17回】
龍美術館──「批判的プラグマティズム」としての大舎建築
市川紘司(明治大学助教)

●ハンセン病回復者の語り・家族の語り【第2回】
受胎七カ月の妹を堕ろされて
黒坂愛衣(東北学院大学),福岡安則(埼玉大学名誉教授)

●メディア批評【第130回】
神保太郎(ジャーナリスト)

●原発月報――(18・7~8)
福島原発事故記録チーム

●片山善博の「日本を診る」【第107回】
自民党総裁選の見どころ——正々堂々と政策論争ができるかどうか
片山善博(早稲田大学)

●脳力のレッスン【198】
アイスマンの衝撃——一七世紀オランダからの視界(その五一)
寺島実郎

●世界論壇月評
朱建栄・竹田いさみ・吉田文彦・石郷岡建

●ドキュメント激動の南北朝鮮(254)(18・7~8)
編集部

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○グラビア
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○特別招待作品
Colombia's FARC Guerrillas
ニューシャ・タヴァコリアン(写真家)

○A SHOT OF THE WORLD

○表紙の言葉
鈴木邦弘(写真家)

○表紙写真= 鈴木邦弘 デザイン= 赤崎正一+ 佐野裕哉

○グラビアについて(公募規定)

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○読者投句・岩波俳句
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選・文 池田澄子(俳人)

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◇編集後記
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