お菓子でたどるフランス史

あのお菓子の由来もわかる!

お菓子でたどるフランス史
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著者 池上 俊一
通し番号 ジュニア新書 757
ジャンル 書籍 > 岩波ジュニア新書 > 歴史
刊行日 2013/11/20
ISBN 9784005007578
Cコード 0222
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 240頁
定価 本体880円+税
在庫 在庫僅少

世界一の国になるには,素敵なお菓子が欠かせない!と考え,その甘い武器を磨いてきた国,フランス.ジャンヌ・ダルクやマリー・アントワネットが食べたのはどんなお菓子? 歴史を変えた伝説のパティシエとは? あの文豪もスイーツ男子だった? お菓子の由来も盛りだくさん! 歴史もしっかり学べる,華麗であま~いフランス史.[カラー口絵4頁]

■内容紹介
ちかごろは,お菓子好きは女性に限らず,スイーツ男子も当たり前になりました.でも本当は,日本男児も昔からお菓子好きで,ちょっと恥ずかしくて言えなかっただけなのかもしれません.
この本に登場する人々,サブレ夫人にポンパドゥール夫人,カトリーヌ・ド・メディシスにマリー・アントワネットなど,有名な貴婦人たちがお菓子好きであることは,みなさんもご存じかもしれません.でも,実は太陽王ルイ14世もクリームなどお菓子好きですし,モーパッサンやデュマ,プルーストなどの文豪たちもお菓子をその作品にたくさん登場させています.そして,お菓子は政治家たちにも愛され,ナポレオンやタレーランも有名パティシエを雇い,相談や研究を重ねていました.
そう,フランスではお菓子は女性だけのものではなく,フランスの文化を象徴し,外交さえも左右する重要なアイテムだったのです.フランス菓子のおいしさにやられてしまった外国元首は数知れず.王の寵愛もお菓子を武器に争われました.そして,お菓子の甘さの秘密,砂糖をめぐっては,数々の戦争が引き起こされました.お菓子はフランスの歴史をたどる格好の素材なのです.
著者はスイーツ好きを自認する中世ヨーロッパ史の専門家.だから,お菓子の由来を語るだけの本とはひと味もふた味も違います.姉妹書の『パスタでたどるイタリア史』と合わせて,ぜひお楽しみください.

序 章 お菓子とフランスの深い関係
フランス菓子が世界一?/お菓子という「余分なもの」/誰にでも手に入る「宝石」/お菓子という武器/ケルト人と古代のお菓子/中世初期のフランク人/フランスを統合する「精髄」/受け容れ,同化させる国/文化立国を支える力

第1章 キリスト教信仰と中世の素朴なお菓子
お菓子の衰退と復活/キリスト教とお菓子/修道院の役割/髪と人をつなぐお菓子/エウロギアとウーブリの広まり/呼び売りの活躍/カペー朝のはじまり/封建制と三身分/王のもつ権威/十字軍とお菓子の材料/貴族たちの愛した砂糖漬け/パン・デピス/焼き菓子のいろいろ/農業の発達と都市の成長/王権の強化とパリの発展/ジャンヌ・ダルクの生い立ち/田舎娘のお菓子/三つのお祭りとお菓子/クリスマスのお菓子

第2章 略取の名手フランス
フランスが外に開いた時代/サトウキビと十字軍/大航海時代の砂糖栽培/百年戦争後のフランス/戦争がもたらしたイタリア文化/ヴァロワ朝の婚姻関係/カトリーヌ・ド・メディシスとイタリアのお菓子/アイスクリームの到来/秘密のチョコレート/チョコレート菓子の広まり/宗教戦争の時代/カトリックと美食

第3章 絶対王政の華麗なるデザート
絶対王政と司法/パリの発展とヴェルサイユ/フランス人はグルメじゃない?/国家戦略としてのフランス料理/ルイ一四世の絶対王権/外交と財政/砂糖帝国の成立/砂糖をめぐる争い/コーヒーと砂糖の出会い/砂糖の消費の増大/砂糖のその後/クリームいろいろ/弱き女性とお菓子/サブレ夫人/チョコレートと女性/繊細な時代の美しい食べ物/寵姫モンテスパン夫人の努力/ポンパドゥール夫人と王妃マリーの食べ物抗争/ポンパドゥール夫人の魅力/マリー・アントワネットが愛した菓子クグロフ/光の世紀

第4章 革命が生んだ綺羅(きら)星(ぼし)のごとき菓子職人
王権のかげり/ブルジョワと民衆の不満/バスティーユ事件から立憲君主制へ/共和政の開始とロベスピエールの独裁/フランス革命の意義/レストランの発展/有名パティシエとお菓子店の登場/ナポレオンの業績/栄光を描いた菓子職人ルボー/アントナン・カレームのピエス・モンテ/お菓子と建築の関係/タレーランとの出会い/歴史を動かすデザート/カレームのその後/ボヴァリー夫人のウェディングケーキ/シャルロットとブラン・マンジェ/フランス菓子いろいろ

第5章 ブルジョワの快楽
復古王政/七月王政/ナポレオン三世の政治/産業革命と階級社会/ブルジョワたちの食生活/プチフールの楽しみ/サロンの繁栄/パリの輝きと中央市場/フラヌール(散策者)の出現/知識人たちのパリ散歩/美食家グリモのグルメガイド/ブリヤ=サヴァランとデュマ/カフェ・ド・フォワとル・プロコープ/カフェという楽園/パサージュと菓子店/乗合馬車の登場と鉄道の敷設/パリに集まる名産品/プルーストとマドレーヌ売り

第6章 フランスの現代とお菓子
第三共和政とフェリーの改革/二つの大戦/戦時中の菓子とウェディングケーキ/戦後のフランス/技術革新とお菓子/ムースの舌ざわり/フランス人パティシエの時代――エスコフィエとルノートル/フランスとお菓子の未来

あとがき
フランス史年表
池上俊一(いけがみ・しゅんいち)
1956年愛知県生まれ.東京大学大学院総合文化研究科教授.専門は西洋中世・ルネサンス史.主な著書に,『ロマネスク世界論』),『ヨーロッパ中世の宗教運動』(ともに名古屋大学出版会),『シエナ――夢見るゴシック都市』(中央公論新社),『身体の中世』(筑摩書房),『世界の食文化15イタリア』(農山漁村文化協会),『パスタでたどるイタリア史』(岩波ジュニア新書),『儀礼と象徴の中世』(岩波書店),訳書に,ジャック・ルゴフ『中世の夢』(名古屋大学出版会)など多数.

書評情報

World 2014年7月号
Z CLUB 2014年4月号
公明新聞 2014年3月31日
朝日新聞(朝刊) 2014年1月26日
読売新聞(朝刊) 2014年1月26日
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