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古典和歌入門

理想の春,恋の言い訳,旅のルポ,観音様が詠んだ歌――昔の人々の願いを今に伝える名歌48首を選び,やさしく読みほどきます.

古典和歌入門
著者 渡部 泰明
通し番号 ジュニア新書 775
ジャンル 書籍 > 岩波ジュニア新書 > 国語・文学
刊行日 2014/06/20
ISBN 9784005007752
Cコード 0292
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 238頁
在庫 在庫あり

理想の春のイメージ,恋人への究極の言い訳,旅のドキュメンタリー,観音様の詠んだ歌──勅撰集の部立てにならい,季節,恋,雑(人生),祈りの4章を立て,和歌の歴史を代表する計48首を選び,詠まれた状況,歌人や文法の解説を交え,やさしく読みほどきます.時を越え,人々の願いや祈りを伝える古典和歌の魅力を味わおう.

■内容紹介
 和歌はドラマであり、祈り。

 最初の勅撰和歌集『古今和歌集』が編さんされたのが平安時代、905年ですから、和歌の世界は、千年以上を超えて、続いてきました。私たちは今、『古今和歌集』の歌を読むことができますし、もっと前の『万葉集』の歌を読むこともできます。また、現在でも短歌として、さかんに創作され続けています。
ただ、古典和歌は古い日本語で書かれているので、難しいと感じますし、和歌の背景にある、当時の貴族社会のライフスタイルや、和歌の作法や文化について、現在に暮らす私たちは詳しく知らないわけですから、なかなか入り込めないところがありますよね。
 本書では、著者が自ら、四季、恋、(人生)、祈りの4つのテーマで、和歌の歴史に残るような48首を選んでくださいました。そして、1首ごとに、文法の説明や、和歌の読まれた背景について、詳しく解説しながら、和歌をどう味わったらよいか、若いみなさんにも理解できるように、読みほどいてくださいました。
また和歌文化については、「はじめに」と「あとがき」でも、基本的なことを、ひととおり、ご説明して頂きました。
 理想の春のイメージ、恋人への究極の言い訳、旅のドキュメンタリー、観音様のお告げの歌……。時を越え、歌が運んできた人々の願いや祈りに思いをはせてみれば、大昔の歌人たちが、知り合いや友達のように、身近に思えてくるかもしれないですね。
 なお、昔の貴族社会のライフスタイルについては、同じジュニア新書の『平安女子の楽しい!生活』に、わかりやすく解説しているので、おすすめです。

はじめに──ようこそ、和歌の世界へ

I  四季 春/夏/秋/冬
II 恋
III 雑──世の中・人生
 賀/旅/死/世の中
IV 祈り 神/仏/祈り

収録和歌一覧
あとがき──和歌の一生
初二句による和歌索引
歌人名による和歌索引
渡部泰明(わたなべ・やすあき)
1957年,東京都生まれ.現在,東京大学大学院人文社会系研究科教授.専門は和歌文学,中世文学.東京大学の学生時代は劇団夢の遊眠社で演劇に熱中.その反動で時代を超えて変わらない言葉に惹かれ,どうして和歌はこれほど長く続いたのかをテーマに,和歌文学の研究を始める.主著に『中世和歌の生成』(若草書房).最近では,若いころの関心と研究テーマが合体してきて,「和歌は演技である」ことを『和歌とは何か』(岩波新書)で述べた.マンガ「超訳百人一首 うた恋い。」シリーズの作者杉田圭氏との共著『うた恋い。和歌撰 恋いのうた。』(メディアファクトリー)など,若い人に語りかける言葉を大事にしたいと思っている.

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