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沖縄密約

「情報犯罪」と日米同盟

かつて沖縄返還に伴う密約を暴いたジャーナリストが,数々の米公文書や証言をまじえてその全体像を描く.

沖縄密約
著者 西山 太吉
通し番号 新赤版 1073
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 政治
刊行日 2007/05/22
ISBN 9784004310730
Cコード 0236
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 220頁
在庫 品切れ
日米の思惑が交錯した沖縄返還には様々な密約が存在した事が,近年相次いで公開された米公文書や交渉当事者の証言で明らかになりつつある.核持ち込み,基地自由使用,日本側巨額負担…….かつてその一部を暴き,「機密漏洩」に問われた著者が,豊富な資料をもとにその全体像を描くとともに,今日の日米関係を鋭く考察する.
はじめに

第1章 「沖縄返還」問題の登場 その背景と日米の思惑
 1 池田から佐藤へ
 2 ベトナム戦争と沖縄返還
 3 ジョンソンからニクソンへ

第2章 核持込みと基地の自由使用 交渉とその帰結(1)
 1 明かされた核密約
 2 基地の自由使用と事前協議の空洞化

第3章 財政負担の虚構 交渉とその帰結(2)
 1 米資産買取りの内幕
 2 闇の主役と秘密合意
 3 つかみ金、二億ドルの使途
 4 追加された二つの密約

第4章 変質する日米同盟
 1 安保共同宣言と新ガイドライン
 2 日米軍事再編
   (1) 防衛・外務の対立
   (2) ラムズフェルドの遺産
   (3) 沖縄基地再編の内幕
   (4) 日米一体化の構図

第5章 情報操作から情報犯罪へ
 1 密約を生む土壌
 2 秘密体質の形成
 3 情報犯罪は続いている

あとがき
西山太吉 (にしやまたきち)
 1931年,山口県に生まれる.慶應義塾大学法学部卒,同大学院修士課程(国際政治学専攻)修了後,毎日新聞社に入社.経済部を経て,政治部記者として首相官邸,自民党,外務省などを担当.1972年,沖縄の施政権返還にからむ密約取材をめぐり,国家公務員法違反容疑で外務省の女性事務官に続いて逮捕された.一審で無罪(事務官は有罪,控訴せず確定)となったものの,二審で逆転有罪,1978年,最高裁で確定(懲役4ヵ月,執行猶予1年)した.一審判決後に退社し,福岡県北九州市の西山青果株式会社に勤務,1991年,退職.「密約」を裏づける米公文書などの報道が相次ぐ中,2005年,謝罪と損害賠償を国に求めて提訴したが,除斥期間を過ぎているとして敗訴.現在,25名の原告団の一員として沖縄密約文書開示請求訴訟中.著書に『情報は誰のものか』(共著,岩波ブックレット,2003年)がある.

書評情報

けんせつ 2008年9月10日号
週刊東洋経済 2007年9月8日号
潮 2007年9月号
The Japan Times 2007年7月16日
サンデー毎日 2007年7月15日号
朝日新聞(朝刊) 2007年7月15日
週刊エコノミスト 2007年7月10日号
日本経済新聞(朝刊) 2007年7月8日
岐阜新聞(朝刊) 2007年7月8日
西日本新聞(朝刊) 2007年7月1日
愛媛新聞 2007年7月1日
週刊金曜日 2007年6月29日号
ジャーナリスト591号 2007年6月25日号
福島民報 2007年6月23日
沖縄タイムス(朝刊) 2007年6月23日
週刊ポスト 2007年6月22日号
出版ニュース 2007年6月下旬号
サンデー毎日 2007年6月17日号
読売新聞(朝刊) 2007年6月17日
東京新聞(朝刊) 2007年6月17日
日刊ゲンダイ 2007年6月15日
琉球新報(朝刊) 2007年6月3日
沖縄タイムス(朝刊) 2007年5月28日
琉球新報(朝刊) 2007年5月23日
週刊朝日 2007年4月13日号
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