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感染症と文明

共生への道

闘いは悲劇の準備にすぎないかもしれない.文明発祥以来,社会が作り上げてきた流行の諸相を描き出す.

感染症と文明
著者 山本 太郎
通し番号 新赤版 1314
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 自然科学
刊行日 2011/06/21
ISBN 9784004313144
Cコード 0247
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 216頁
在庫 在庫僅少
感染症との闘いは人類に勝利をもたらすのだろうか.防疫対策による封じ込めは,大きな悲劇の準備にすぎないのかもしれない.共生の道はあるのか.感染症と人類の関係を文明発祥にさかのぼって考察し,社会が作り上げてきた流行の諸相を描き出す.共生とは理想的な均衡ではなく,心地よいとはいえない妥協の産物ではないか.
プロローグ 島の流行が語ること

第一章 文明は感染症の「ゆりかご」であった
 1 狩猟採集社会の感染症
 2 疫学的転換

第二章 歴史の中の感染症
 1 古代文明の勃興
 2 ユーラシア大陸における疾病交換
  ◆コラム1 文明の生態史観

第三章 近代世界システムと感染症――旧世界と新世界の遭遇
  ◆コラム2 伊谷純一郎最晩年の講義

第四章 生態学から見た近代医学
 1 帝国医療と植民地医学
 2 「感染症の教科書を閉じるときがきた」
  ◆コラム3 野口英世と井戸泰

第五章 「開発」と感染症
  ◆コラム4 ツタンカーメン王と鎌状赤血球貧血症

第六章 姿を消した感染症
 1 姿を消した感染症
 2 新たに出現した感染症
 3 ウイルスはどこへ行ったのか

エピローグ 共生への道

付録 麻疹流行の数理

あとがきに代えて

参考文献
山本太郎(やまもとたろう)
 1964 年生まれ.1990 年長崎大学医学部卒業.
 医師,博士(医学,国際保健学).
 京都大学医学研究科助教授,外務省国際協力局を経て,長崎大学熱帯医学研究所教授.
 専門は国際保健学,熱帯感染症学.アフリカ,ハイチなどで感染症対策に従事.
 著書に『大震災のなかで 私たちは何をすべきか』(内橋克人編,岩波新書),『ハイチ いのちとの闘い』(昭和堂),『国際保健学講義』(学会出版センター),訳書に『感染症疫学-感染性の計測・数学モデル・流行の構造』(昭和堂),『エイズ-ウイルスの起源と進化』(学会出版センター)など

書評情報

朝日新聞(朝刊) 2020年4月4日(評者:佐倉 統さん)
日本経済新聞(夕刊) 2020年3月31日
朝日新聞(朝刊) 2020年3月11日
朝日新聞(朝刊) 2011年12月25日
夕刊フジ 2011年11月22日
長崎新聞 2011年9月25日
朝日新聞(朝刊) 2011年7月24日
毎日新聞(朝刊) 2011年7月17日
週刊東洋経済 2011年7月16日号

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