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夢よりも深い覚醒へ

3.11後の哲学

3.11は,私たちに何を問うのか.この社会を変革していくための方法とは? 著者渾身の根源的な考察.

夢よりも深い覚醒へ
著者 大澤 真幸
通し番号 新赤版 1356
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 社会
刊行日 2012/03/06
ISBN 9784004313564
Cコード 0236
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 270頁
在庫 品切れ
「不可能性の時代」に起きた3.11の二つの惨事は,私たちに何を問うているのか.日本で,脱原発が一向に進まないのはなぜなのか.そもそもなぜこれほど多数の原発が日本列島において建設されてきたのか.圧倒的な破局を内に秘めた社会を変えていくための方法とは? オリジナルな思考を続ける著者渾身の根源的な考察.
序 夢よりも深い覚醒へ
 1 夢よりも深い覚醒へ
 2 いきなり結論
 3 反言語としての詩のように
 4 不可能な選択

Ⅰ 倫理の不安──9・11と3・11の教訓
 1 二つの「一一日」
 2 理不尽な絶滅
 3 道徳的な運
 4 リスク社会におけるリスク
 5 倫理の本源的な虚構性
 6 報われぬ行為

Ⅱ 原子力という神
 1 一九九五年の反復としての二〇一一年
 2 人間の崇高性と不気味さ
 3 原子力という神
 4 原子力へのアイロニカルな没入
 5 核には反対だが賛成だ
 6 ノアの大洪水

Ⅲ 未来の他者はどこにいる? ここに!
 1 偽ソフィーの選択
 2 正義論の無力
 3 灰を被った預言者
 4 未来の他者は〈ここ〉にいる

Ⅳ 神の国はあなたたちの中に
 1 神の国はどこにある──いまだ/すでに
 2 究極のノンアルコール・ビール
 3 江夏豊のあの「一球」
 4 苦難の神義論と禍の預言
 5 メシアはすでにやって来た

Ⅴ 階級の召命
 1 階級の由来
 2 革命しないプロレタリアート──問題設定
 3 階級とは何か
 4 ヘーゲル的主体としての資本
 5 発話内容と発話行為
 6 社会運動の指導者
 7 プロレタリアートのラディカルな普遍化

結 特異な社会契約
 1 本論の回顧
 2 社会契約の特異な方法

あとがき
大澤真幸 (おおさわまさち)
 1958年長野県松本市に生まれる.
 東京大学大学院社会学研究科博士課程修了.社会学博士.千葉大学文学部助教授,京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任.個人思想誌『THINKING「O」』(左右社)主宰.
 専攻─比較社会学・社会システム論
 著書─『ナショナリズムの由来』(講談社,毎日出版文化賞受賞)
    『〈世界史〉の哲学(古代篇)』(講談社)
    『不可能性の時代』(岩波新書)
    『社会は絶えず夢を見ている』(朝日出版社)
    『増補 虚構の時代の果て』(ちくま学芸文庫)
    『現代宗教意識論』(弘文堂)
    『「正義」を考える』(NHK出版新書)
    『ふしぎなキリスト教』(共著,講談社現代新書,新書大賞受賞) ほか多数

書評情報

毎日新聞(夕刊) 2012年7月27日
週刊読書人 2012年7月27日号
朝日新聞(朝刊) 2012年5月21日
東京新聞(朝刊) 2012年5月20日
朝日新聞(朝刊) 2012年4月29日
繊研新聞 2012年4月27日
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