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加藤周一

二十世紀を問う

言葉を愛した人・加藤周一の生涯を辿りつつ,我々の歩みを支える力強い杖として,遺された言葉を読み直す.

加藤周一
著者 海老坂 武
通し番号 新赤版 1421
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 哲学・思想
刊行日 2013/04/19
ISBN 9784004314219
Cコード 0223
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 254頁
在庫 在庫あり
言葉を愛した人・加藤周一は,生涯に膨大な書物を読み,書き,そして語り続けた.それはまた,動乱の二十世紀を生きぬきながら,日々の体験を深く考え,問い直し,表現する生でもあった.同時代を生きてきた著者が,我々の未来への歩みを支える力強い杖として,今ひとたび彼の言葉を読み直しつつ,その全体像にせまる.
はじめに──加藤周一を読むこと

第一章 〈観察者〉の誕生
 1 〈お坊ちゃん〉の孤独
 2 本を読む青年
 3 〈いくさ〉の中で

第二章 戦後の出発
 1 怒りの抒情詩──『1946・文学的考察』より
 2 フランス文学者として──『現代フランス文学論』『文学とは何か』
 3 「IN EGOISTOS」をめぐって──政治と文学
 4 小説『ある晴れた日に』とその謎

第三章 〈西洋見物〉の土産
 1 芸術を見て、語る──『ある旅行者の思想』『西洋讃美』
 2 文明批評家の誕生──『現代ヨーロッパの精神』
 3 第二の〈全体化〉──『運命』

第四章 雑種文化論の時代
 1 「日本文化の雑種性」という発見
 2 展開をはじめる思考──「近代日本の文明史的位置」
 3 日本の知識人を問う──「知識人について」「戦争と知識人」

第五章 一九六〇年代──外からの視線
 1 助走の時代──「親鸞」「日本文学史の方法論への試み」
 2 『三題噺』の位置──「詩仙堂志」「狂雲森春雨」「仲基後語」
 3 『羊の歌』をどう読むか
 4 一九六八年を問う──『言葉と戦車』

第六章 〈日本的なもの〉とは何か──〈精神の開国〉への問い
 1 『日本文学史序説』を読む
 2 日本美術史への試み──『日本 その心とかたち』
 3 体系化へ向かって──『日本文化における時間と空間』

第七章 希望の灯をともす
 1 「政治に近寄るべからず」──六〇年代まで
 2 二十世紀の語り部として──核、九条、アメリカ
 3 持続する志

あとがき
加藤周一略年譜
海老坂武 (えびさかたけし)
 1934年東京都生まれ
 東京大学文学部仏文科卒業,同大学院博士課程修了.一橋大学教授,関西学院大学教授を経て,現在は執筆に専念.
 専攻─フランス現代文学・思想
 著書─『パリ──ボナパルト街』(晶文社,ちくま文庫)
    『戦後思想の模索』(みすず書房)
    『シングル・ライフ』(中公文庫)
    『〈戦後〉が若かった頃』
    『かくも激しき希望の歳月──1966~1972』
    『祖国より一人の友を』(以上,岩波書店)
    『サルトル──「人間」の思想の「可能性」』(岩波新書)
    『戦後文学は生きている』(講談社現代新書)他
 訳書─『黒い皮膚、白い仮面』(ファノン,共訳,みすず書房)
    『文学とは何か』(サルトル,共訳,人文書院)他

書評情報

東京新聞(朝刊) 2013年12月29日
朝日新聞(夕刊) 2013年6月25日
朝日新聞(朝刊) 2013年5月19日

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