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アベノミクスの終焉

「アベノミクスによって日本経済は回復しつつある」という偽りの物語を暴き,データから警鐘を鳴らす.

アベノミクスの終焉
著者 服部 茂幸
通し番号 新赤版 1495
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 経済
刊行日 2014/08/20
ISBN 9784004314950
Cコード 0233
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 220頁
在庫 品切れ
政府と日銀が紡ぐ「アベノミクスによって日本経済は回復しつつある」という「物語」.しかし,それは真実なのか.異次元緩和の始まりから一年がたった今,いくつもの「つまずき」を抱えたアベノミクスの実態が明らかになっている.政治のレトリックに惑わされることなく,客観的なデータにもとづき,警鐘を鳴らす.
まえがき

第1章 異次元緩和は成果を収めているのか
 1 天頂からの転落
 2 異次元緩和の成果を検討する
 3 アメリカ経済は本当に回復しているのか
 4 政治のレトリック
 5 別の「物語」

第2章 異次元緩和を支える経済学
 1 中央銀行と金融政策
 2 マクロ経済学と金融政策の歴史
 3 金融危機と最後の貸し手機能
 4 非伝統的な金融政策

第3章 財政政策と公共事業
 1 財政政策の理論的基礎
 2 世界経済の危機と財政政策
 3 一九九〇年代以降の日本の財政政策
 4 アベノミクスにおける財政政策

第4章 成長戦略とトリクルダウン
 1 政府の規模を小さくすれば、成長できるのか
 2 不平等の経済的、社会的コスト
 3 いざなみ景気とトリクルダウン
 4 新自由主義型の停滞

終章 失敗から学ばない愚か者は同じ失敗を繰り返す
 1 二〇〇八年の危機と経済学の敗北
 2 ゾンビ経済学
 3 学ぶことは未来を作ることでもある

あとがき──政治のレトリックと経済の現実
参考文献
服部茂幸 (はっとりしげゆき)
 1964年大阪府生まれ
 1988年京都大学経済学部経済学科卒業.96年京都大学博士(経済学).
 現在─福井県立大学経済学部教授
 専攻─理論経済学(マクロ経済学,金融政策)
 著書─『新自由主義の帰結──なぜ世界経済は停滞するのか』(岩波新書,2013年)
    『危機・不安定性・資本主義──ハイマン・ミンスキーの経済学』(ミネルヴァ書房,2012年)
    『日本の失敗を後追いするアメリカ──「デフレ不況」の危機』(NTT 出版,2011年)
    『金融政策の誤算──日本の経験とサブプライム問題』(NTT 出版,2008年)
    『貨幣と銀行──貨幣理論の再検討』(日本経済評論社,2007年)ほか

書評情報

週刊ポスト 2014年11月7日号
東京新聞(朝刊) 2014年9月7日
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