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里の時間

古来,自然と共につつましやかに暮らす人びとの日々の営み.身近にある「幸せ」の姿とは.カラー写真多数.

里の時間
著者 芥川 仁 , 阿部 直美
通し番号 新赤版 1511
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 随筆
刊行日 2014/10/21
ISBN 9784004315117
Cコード 0295
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 238頁
在庫 品切れ
「都会は,玄関から一歩出っと金かかるべ.ここは一歩出っと,晩のおかずが採れるんだ」――古来,素朴な自然が残る各地の集落を訪ね,自然と共につつましやかに暮らす人びとの日々の営み,身近にある「幸せ」の姿を,さり気ない写真,飾り気ない言葉でそっと伝えます.そう,ふつうの暮らしこそがいい人生! カラー写真多数.
はじめに
巻頭地図


 玄関から一歩出っと晩のおかず(福島県・大沼郡会津美里町)
 * 秋津ミサヲさんの「こづゆ」
 谷間の村と熊と犬の物語(福井県・今立郡池田町)
 * 藤田キクエさんの「ウドの煮しめ」
 カイニョが守る水と緑の宇宙(富山県・砺波市)
 * 「ホタルイカの辛子酢みそ和え」
 氷河期から舞う白い蝶(広島県・山県郡北広島町)


 時々ご先祖様が帰ってくる(島根県・仁多郡奥出雲町)
 腰伸ばし棚田見守る母(滋賀県・東近江市)
 小川の上と下で皿洗いしながらお喋り(神奈川県・愛甲郡愛川町)
 * 沼田イトさんと大野松子さんの「煮込みうどん」
 望遠鏡で対岸の安否知る棚田村(高知県・長岡郡大豊町)
 巡礼路に梅の実落ちて香を放つ(埼玉県・秩父郡小鹿野町)
 宮司さん笏に米のせ家運を占う(山口県・周南市)


 先人の汗で田を拓く(熊本県・上益城郡山都町)
 茅の高原を守る四十二世帯(奈良県・宇陀郡曽爾村)
 窓から顔出して友待ちわびる(岩手県・盛岡市玉山区)
 山に抱かれた「おごさま」の里(茨城県・つくば市)
 * 松崎志津子さんの「すみつかれ」
 古代米の藁でなう大しめ縄(佐賀県・佐賀市三瀬村)
 * 仲良し四人の「かけ和え」


 天筆の炎と男衆の竹打ち(秋田県・仙北郡美郷町)
 * 山口スガさん・伊藤タカさんの「鱈っ子のほろほろ」
 藁の鍾馗様が春掘り起こす(新潟県・東蒲原郡阿賀町)
 鬼なく豆なく心経で心一つ(兵庫県・宍粟市波賀町)
 十五夜の月が見守るリンゴ村(青森県・弘前市旧相馬村)
 * 大澤ハキさんの「けの汁」
 白く輝く割干し大根(宮崎県・東諸県郡国富町)
 * 渡辺きみえさんと仲間たちの「ネリクリ」

あとがき
芥川 仁(アクタガワ・ジン)
 1947年愛媛県生まれ.写真家.1970年,法政大学社会学部二部卒業.日本写真家ユニオン設立発起人.日本写真家協会会員.現在,宮崎市在住.
 著書・写真集に『水俣・厳存する風景』(水俣病センター相思社),『土呂久 小さき天にいだかれた人々』『輝く闇』『リトルヘブン 鏡野物語』(以上,葦書房),『銀鏡の宇宙』(海鳥社),『春になりては…椎葉物語』(北斗出版),『生命の惑星 青島』(鉱脈社)ほか多数.

阿部直美(アベ・ナオミ)
 1970年群馬県生まれ.
 獨協大学外国語学部卒業後,4年間の会社員生活の後,雑誌編集部などを経て,現在,フリーランスのライターとして活動する.
 著書に『おべんとうの時間』『おべんとうの時間(2)』(以上,木楽舎).

書評情報

日本農業新聞 2015年3月1日
読売新聞(朝刊) 2015年1月4日
サンデー毎日 2014年11月30日号
熊本日日新聞(朝刊) 2014年10月26日
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