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会社法入門 新版

平成二六年改正,「コーポレートガバナンス・コード」策定など,最新の動向を反映.これ一冊で分かる!

会社法入門 新版
著者 神田 秀樹
通し番号 新赤版 1554
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 法律
刊行日 2015/07/22
ISBN 9784004315544
Cコード 0232
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 250頁
在庫 品切れ
「会社法」が制定された二〇〇五年以降,リーマンショックを経て,市場と企業はどのような方向に進んできたのか.法の対応は? 条文からだけでは捉えにくい「会社法」のポイントをコンパクトに解説.平成二六年改正や「コーポレートガバナンス・コード」策定など,最新の動向も反映する.この一冊でわかる!
はじめに

第1章 「会社法」とは何か
 1 世界に広がる「株式会社」
 株式会社形態の普及/株式会社形態の特質/会社法って、何?/株式会社の特質と会社法の役割/制度間競争の時代/日本の会社形態
 2 二〇〇五年の「会社法」制定
 二つの偶然/商法改正小史/二〇〇一年以降の改正/議員立法と経済産業省の特別法/そして「会社法」制定へ
 3 会社法の考え方
 ファイナンス分野/ガバナンス分野/会計法制/ベンチャー企業育成など/会社法の条文配置
 4 二〇一四年の会社法改正
 二〇一四年会社法改正の経緯/改正の背景/国会での審議/二〇一四年改正の特徴

第2章 株式会社の機関
 1 なぜ法は株式会社に機関を要求するのか
 会社法のポイント/機関とは/会社法における機関設計/戦後の歴史/その他の改正/まとめ
 2 株主総会とは何か
 株主総会とは何か/株主総会の招集/株主総会での議決権/株主総会での議事と決議の方法
 3 取締役・取締役会とは何か
 取締役・取締役会と役員/取締役とは/社外取締役とは/社外取締役設置の奨励/社外取締役の役割は何か/取締役会とその権限(指名委員会等設置会社以外の株式会社)/モニタリング・モデルは採用されるか/取締役会の決議/代表取締役とは/取締役の義務──会社との関係での一般的な義務/取締役の善管注意義務/監視義務とリスク管理体制の構築義務
 4 監査とは何か
 監査役とは/監査役の権限/監査報告と調査権/監査役の義務/監査役の差止請求および会社代表/監査役会/会計監査人とは
 5 監査等委員会設置会社
 監査等委員会設置会社とは何か
 6 指名委員会等設置会社
 指名委員会等設置会社とは何か/業務監査制度のゆくえ
 7 役員の責任と株主代表訴訟
 役員等の会社に対する損害賠償責任/役員等の責任の免除と軽減/役員等の第三者に対する損害賠償責任/株主代表訴訟とは何か/多重代表訴訟とは何か/一九九〇年代以降の株主代表訴訟/会社の法令違反行為と取締役の責任/代表訴訟に関するその他の論点/株主による違法行為の差止め

第3章 株式会社の資金調達
 1 利害調整法としての会社法
 会社法による利害調整ルール/株主間の利害調整の必要性/会社債権者がある場合/株主の投下資本回収/株主と経営者との利害調整/まとめ──三つの場面の関係など
 2 株式と資金調達
 株式という不思議な仕組み/各種の資金調達手段/会社法のルールの必要性/授権株式制度/新株発行における既存株主と新たに株主となる者との利害調整/考えられるルール/日本の会社法のルール/有利発行/第三者割当て/有利発行がされた場合の効果/違法な株式発行/主要目的ルール/上場会社のエクイティ・ファイナンス
 3 配当と自己株式の取得
 むずかしい会社債権者保護/会社債権者保護のためのルールの二つの柱
 4 「株式」という仕組み
 株式とは何か/株主の義務/株主の権利/株式の内容/優先株式/種類株式の利用/株主の平等取扱い(株主平等の原則)/株主の地位(株式)の譲渡──株券という仕組み/株式の譲渡/株式譲渡の自由/株主の会社に対する権利行使
 5 社債とは何か
 社債とは/なぜ会社法は規定を置くのか/社債の発行

第4章 設立、組織再編、事業再生
 1 株式会社を設立するには
 変幻自在な会社/設立とは何か/発起設立と募集設立/最低資本金制度の廃止/定款の記載事項/株式発行事項の決定/設立時発行株式の引受け/設立時取締役・設立時監査役等の選任/全額出資ルール/失権ルール
 2 自由度を増した組織再編
 組織再編とは何か/会社法における改正/対価の柔軟化/よく行われるようになったMBO/特別支配株主の株式等売渡請求/三角合併/買収との関係/株主総会決議/簡易組織再編/略式組織再編/株式買取請求権制度と二〇一四年改正/効力発生/差止め/無効の訴え/会社分割における人的分割概念の廃止/詐害的な会社分割/敵対的企業買収
 3 企業グループ法制
 重要性を増す企業グループの法制/上から下/下から上
 4 不良債権問題と事業再生
 事業再生のポイント/全部取得条項付種類株式/デット・エクイティ・スワップ

第5章 会社法のゆくえ
 1 コーポレートガバナンス・コードの衝撃
 なぜ、金融商品取引法は毎年改正されるのか/東京証券取引所によるルール形成/金融審議会のスタディグループなど/第三者割当ての規制/独立役員制度/コーポレートガバナンス・コードの制定/制度は重層的で複雑だが
 2 世界金融危機と金融商品取引法の毎年改正
 世界金融危機の発生とその背景/格差の拡大/金融危機後のグローバルな議論/金融危機と会社法
 3 企業活動のグローバル化と会社法
 グローバル化時代の会社法改正の原動力/会社法のパラダイム
 4 会社法はどこへいくのか
 中小会社と会社法/会社にとっての会社法/会社法の将来

あとがき
神田秀樹 (かんだひでき)
 1953年生まれ
 1977年東京大学法学部卒業
 現在─東京大学大学院法学政治学研究科教授
 専攻─商法,証券法,金融法
 著書─『会社法(第17版)』(弘文堂,2015)
    『商法判例集(第6版)』(共編著,有斐閣,2014)
    『数理法務概論』(共訳,有斐閣,2014)
    『金融法講義』(共著,岩波書店,2013)
    『The Anatomy of Corporate Law(第2版)』(共著,Oxford University Press,2009)ほか
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