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香港

中国と向き合う自由都市

政治と経済の「中国化」に直面する国際都市を,日本と香港の気鋭が歴史背景と現代文化から緻密に解説.

香港
著者 倉田 徹 , 張 彧暋
通し番号 新赤版 1578
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 現代世界
刊行日 2015/12/18
ISBN 9784004315780
Cコード 0236
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 254頁
在庫 在庫あり
2014年秋,大都市の中心街を市民が79日間も占拠した香港の雨傘運動.この選挙民主化要求は,軟着陸した中国返還後,金融危機で逆転した経済の「中国化」への猛反発だった.一国二制度の成功例「ノンポリ国際都市」は,なぜ政治に目覚め,何を求めるのか.日本と香港の気鋭が歴史背景と現代文化から緻密に解説する.
はじめに
香港全図・香港中心部地図

第一章 「一国二制度」下の香港
 1 「一国二制度」とは何か
 2 準国家としての香港
 3 地方としての香港

第二章 イギリスの遺産──植民地構造と自由
 1 植民地型統治
 2 独裁の下の自由
 3 自由の限界
 4 未完の民主化

第三章 「中国化」と香港の自由──返還後の香港
 1 静かな返還
 2 「中港融合」と中国化
 3 民主化の「中国化」
 4 「中国化」の限界と自由社会

第四章 植民地香港における自由の条件──文化と社会
 1 香港を語る人々
 2 彷徨う魂と江湖豪傑
 3 香港アイデンティティの生成

第五章 雨傘運動──立ち上がった観客たち
 1 壁・巨人・卵
 2 生活空間と政治空間の連結
 3 金鐘占領区が見せた未来図
 4 旺角:自由と民主のための「闘い」
 5 覚醒した観客たち

おわりに 香港の自由、日本の自由
主要参考文献
倉田 徹(クラタ・トオル)
 1975年生まれ.2008年東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了,博士(学術).2003~06年に在香港日本国総領事館専門調査員.金沢大学人間社会学域国際学類准教授を経て,現在,立教大学法学部政治学科准教授.専門は現代中国・香港政治.著書『中国返還後の香港──「小さな冷戦」と一国二制度の展開』(名古屋大学出版会,サントリー学芸賞受賞)

張彧暋(チョウイクマン)
 1977生まれ.香港中文大学社会学研究科卒,博士(社会学).現在,同大学社会学科講師.専門は歴史・文化社会学,ナショナリズム論,日本研究(鉄道史,サブカルチャー論,近代日本ナショナリズム).著書『鉄道への夢が日本人を作った──資本主義・民主主義・ナショナリズム』(山岡由美訳,朝日選書).

書評情報

文藝春秋 2020年9月特別号(評者:武田 徹さん)
文藝春秋 2016年3月号
日本経済新聞(朝刊) 2016年1月31日
HONZ 2016年1月19日掲載

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