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風土記の世界

ヤマトタケルを天皇として描く常陸国,独自の国意識の現れる出雲国など,新たな読みで古代世界の謎に迫る.

風土記の世界
著者 三浦 佑之
通し番号 新赤版 1604
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 文学
刊行日 2016/04/20
ISBN 9784004316046
Cコード 0221
体裁 新書 ・ 並製 ・ 254頁
在庫 在庫あり
風土記は古代を知る,何でもありの宝箱.土地のいわれや肥沃状態,古老の言い伝え,天皇の巡行など,バラエティーに富む内容から見える,中央国家と地方との関係とは? ヤマトタケルを天皇として描く常陸国,編纂命令から20年も経て提出された出雲国,滑稽譚満載の播磨国など,いくつかの謎を解き明かし,生き生きとした古代世界像に新たな読みで迫る.
はじめに

第一章 歴史書としての風土記
 1 律令国家をめざして──「日本書」紀
 2 「日本書」列伝の痕跡
 3 「日本書」志の構想

第二章 現存風土記を概観する
 1 常陸国風土記のあらまし
 2 出雲国風土記のあらまし
 3 播磨国風土記と豊後国・肥前国風土記のあらまし
 4 古老相伝旧聞異事について

第三章 常陸国風土記     ──もう一つの歴史と伝承の宝庫
 1 倭武天皇はなぜ存在するか
 2 「夜刀の神」をめぐる地方と中央
 3 松になった男女

第四章 出雲国風土記     ──神の国ともう一つの文化圏
 1 撰録者としての出雲国造
 2 王権としての出雲──国引き詞章と語り部
 3 出雲神話にみる日本海文化圏
 4 カムムスヒ──出雲国風土記と古事記とをつなぐ

第五章 語り継がれる伝承    ──播磨国風土記と豊後国・肥前国風土記
 1 笑われる神と天皇──播磨国風土記
 2 速津媛──豊後国風土記と女性首長
 3 遠征するオキナガタラシヒメ──肥前国風土記と日本書紀
 4 稲作をめぐる伝承──事実を保証する方法

まとめにかえて

あとがき
参考文献一覧
引用資料一覧
三浦佑之 (みうらすけゆき)
 1946年,三重県に生まれる.成城大学大学院博士課程修了.共立女子短期大学,千葉大学を経て,
 現在─立正大学教授
 専攻─古代文学,伝承文学
 著書─『神話と歴史叙述』(若草書房)
    『口語訳 古事記』(神代篇,文春文庫)
    『古事記講義』(文春文庫)
    『古事記のひみつ』(吉川弘文館)
    『古事記を読みなおす』(ちくま新書)
    『日本古代文学入門』(幻冬舎)
    『日本霊異記の世界』(角川学芸出版)
    『古代研究』(青土社)
    『増補新版 村落伝承論』(青土社)
    『昔話にみる悪と欲望 増補新版』(青土社) ほか多数
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