秘密解除 ロッキード事件

田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか

ロッキード事件の発生から四〇年,当時の公文書の秘密指定が続々と解除されつつある.新資料をもとに新たな視点から事件の謎に迫る.

秘密解除 ロッキード事件
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著者 奥山 俊宏
ジャンル 書籍 > 単行本 > 政治
刊行日 2016/07/21
ISBN 9784000245265
Cコード 0031
体裁 四六 ・ 272頁
定価 本体1,900円+税
在庫 在庫あり
戦後最大の疑獄事件とされるロッキード事件.発生から40年が経過した現在,当時の日米公文書の秘密指定が続々と解除されつつある.逮捕された田中角栄元首相はアメリカの虎の尾を踏んだのか? 三木政権はどう動いたか? 事件を暴いたチャーチ委員会はどこまで全容に迫れたのか? 新資料をもとに新たな視点から事件の謎を解明する.


■堀田力さん(元東京地検特捜部検事)のメッセージ

 ○あの時は知りたくても知ることのできなかった裏の動きがわかった
この本に書いてあることの多くは当時、外交上の秘密中の秘密でした。お互い、手の内はそれぞれ極秘にしていました。アメリカ側の手の内は、私ども、知りたくても知ることができませんでした。そういう極秘の資料が30年たって公表され、この本では、それをきちんと見て、裏の動きを出してもらっています。
 ○世界的な規模で生々しい背景が浮かび上がった
「ああ、外交というのはこういうものなんだ」というのが分かります。「ああ、あのときこういう裏があったんだ」ということも分かります。非常に生々しい全体の事実・背景が、日本と米国、さらには、ヨーロッパにもわたって世界的な規模で、この本の中に浮かび上がってきています。
 ○暗闇が晴れて奥深い背景が浮かび上がった
暗闇の中でスポットライトが当たった人物の動きだけをこれまでの私たちは見ていました。それが、この本では、その人物の後ろに、ずぅっと広い背景があって、いろいろな人がいろいろなところで、いろいろな動きをしていたことを一挙に知ることができます。たいへん鮮やかな、だけど、奥深い舞台背景がざぁーっと広がっていて、そういう中で、私自身の行動やら、米国側の行動やら、いろいろな人の行動があった。それらを深く理解でき、非常に新鮮でした。たいへん鮮やかな舞台になったなと思いました。
 ○田中角栄礼賛本の出版が続くなか、真実への波が見えた
最近、石原慎太郎さんの『天才』など、田中角栄さんを礼賛する本の出版が続いていますけど、今後は、真実の方向で本が出てくることになるのでしょうか。いろいろ波はあるけど、田中さん、非凡な人であることは間違いないですから。


■編集部からのメッセージ

 戦後最大の疑獄事件といわれるロッキード事件.田中角栄元首相の衝撃的な逮捕から2016年7月で40年になります.日米で当時の公文書の秘密指定が続々と解除されつつあり,それら大量の公文書を分析すると,新しい事実が浮かび上がってきます.「田中角栄はアメリカの虎の尾を踏んだために逮捕された」説は本当か? 当時の三木首相はどう動いたのか? アメリカでの事件のその後の展開は? 著者は,企業の内部告発や原発事故などの調査報道を多く手がけ,現在,国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)のプロジェクトメンバーの一人としてパナマ文書の解析にあたり,大きく注目されているジャーナリストの奥山俊宏氏です.ご期待ください.


■ロッキード事件をめぐる主な出来事

1945年 8月15日 終戦
1948年 6月 ハリー・カーンらがアメリカ対日協議会を結成
  12月24日 岸信介,児玉誉士夫らが巣鴨拘置所から釈放される
1955年 11月15日 保守合同により自由民主党結成
1957年 2月25日 岸信介が首相に就任
1958年 4月 国防会議で次期主力戦闘機としてグラマン社のF11F1Fを内定
1959年 11月6日 グラマン案が白紙撤回され,次期主力戦闘機をロッキードF104に決定
1964年 11月9日 佐藤栄作が首相に就任
1966年 黒い霧事件
1969年 1月20日 ニクソンが米大統領に就任.キッシンジャーが国家安全保障担当の大統領補佐官
1971年 7月 キッシンジャー補佐官が極秘訪中.ニクソン大統領の訪中で合意.電撃発表
1972年 2月21日 ニクソン米大統領,訪中
  6月9日 キッシンジャー米大統領補佐官,来日
    17日 ウォーターゲート事件(民主党本部不法侵入事件)発生
    佐藤栄作首相,退陣表明
  7月7日 田中角栄が首相に就任
  8月23日 ロ社代理店である丸紅の社長が田中に面会
  8月31日・
9月1日 ハワイで田中とニクソンが日米首脳会談
  10月11日 全日空の役員会でロッキードL-1011の採用が正式決定
1973年 9月22日 キッシンジャー補佐官が米国務長官を兼務
     10月6日 第四次中東戦争が勃発.オイルショックに
1974年 8月9日 ウォーターゲート事件でニクソンが大統領辞任.後任はフォード
  10月9日 立花隆「田中角栄研究――その金脈と人脈」,児玉隆也「淋しき越山会の女王」を掲載した『文藝春秋』11月号が発売される
  12月9日 金権批判で田中角栄が首相を辞職.後任は三木武夫
1975年 6月18・19日 米上院と米証券取引委員会がロ社に文書提出を命令
  11月 スコウクロフトが国家安全保障担当大統領補佐官に昇進.キッシンジャーは国務長官専任に
  12月12日 米司法省が裁判所にロ社文書の無断開示禁止を要請
1976年 2月4日 米上院の公聴会でロ社の対日工作を暴露
  3月13日 児玉誉士夫を所得税法違反と外為法違反の罪で起訴
  4月2日 ニューヨーク・タイムズがCIAの対日工作を報道
  7月6日 コーチャンの嘱託尋問開始
    27日 東京地検が田中を逮捕
  8月20日 元運輸政務次官・佐藤孝行を逮捕
    21日 元運輸相・橋本登美三郎を逮捕
  12月5日 衆議院選挙で自民党大敗
    24日 三木武夫が首相を辞職.後任は福田赳夫
1978年 12月7日 大平正芳が首相就任
    14日 マクダネル・ダグラス社の疑惑が表面化
1979年 1月4日 グラマン社の疑惑が明るみに
1980年 7月17日 鈴木善幸が首相就任
1982年 11月27日 中曽根康弘が首相就任
1983年 10月12日 東京地裁が田中に有罪判決(懲役4年,追徴金5億円)
1987年 7月29日 東京高裁が田中の控訴を棄却.一審の実刑判決を維持
1993年 12月16日 田中角栄死去
94年 10月9日 ニューヨーク・タイムズが「CIAから自民党に資金援助」と報道
1995年 2月22日 ロッキード事件丸紅ルート最高裁大法廷判決.檜山らの実刑判決が確定
2006年 7月18日 米国務省の史料集がCIAの対日工作を確認
まえがき
第一章 アメリカ政府はなぜ田中角栄を嫌ったのか?
――田中逮捕を「奇跡」と喜んだのはなぜか?
第二章 中曽根事務所から「米政府ハイレベルの圧力」
第三章 ニクソン大統領辞任から田中逮捕へと連鎖
――ウォーターゲート事件の風
第四章 中曽根幹事長から米政府首脳へのメッセージ
第五章 三木首相「自民離脱,信問う」示唆,米政府に密使
第六章 CIAから「日本の政党」への資金提供と児玉誉士夫
第七章 日本に米国製兵器を売り込むために
第八章 日本政府高官への黒いカネを暴いて急ブレーキ
――チャーチ小委員会の消滅
第九章 考察――本当に「田中角栄は虎の尾を踏んだ」のか?
あとがき

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