人類の未来と地球科学

科学と近代文明は,地球環境とどのように関わっているのか.人類と文明を支え続け,許容してきた地球の「限界」はどこにあるのか.

人類の未来と地球科学
著者 井田 喜明
通し番号 92
ジャンル 書籍 > 岩波現代全書 > 自然科学・科学史
日本十進分類 > 自然科学
刊行日 2016/07/21
ISBN 9784000291927
Cコード 0336
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 222頁
在庫 品切れ
生命・人類・文明の誕生を可能にした,地球という惑星の特殊な条件とは何だったのか.その制約下で発達してきた科学と近代文明は,地球環境とどのように関わっているのか.人類と文明を支え続け,消費と変革を許容してきた地球の「限界」はどこにあるのか.不確かな地球文明の未来像を,地球科学者の視点から描く.

■編集部からのメッセージ

近代文明の加速的な発達によって,食料やエネルギーの消費は地球の許容量に迫り,大気海洋汚染や地球温暖化などによる居住環境の悪化は,人類の生活を脅かすようになった.これまで文明は生産性の向上を駆動力として発達してきたが,同様な枠組みを今後も続けることは難しいと思われる.
 未来に向けた長期的な展望を描くには,資源や表層環境の安定性など地球が本来もっている性質や仕組みと,近代文明の様相をあわせて考慮し,人類の今後を探ることが求められる.本書はそのための題材を整理しながら,さまざまな問題について検討していく.
(S)


■ 関連書

● 『地球の教科書』 井田喜明
● 『地球全史スーパー年表』 日本地質学会 監修/清川昌一,伊藤孝,池原実,尾上哲治
● 『新装版 地球惑星科学14 社会地球科学』 住明正,平朝彦,鳥海光弘,松井孝典 編集委員
● 『緑のエネルギー原論』 植田和弘
● 『脱原発から,その先へ――ドイツの市民エネルギー革命』 今泉みね子
井田喜明(いだ よしあき)
1941年,東京生まれ.東京大学理学部物理学科卒業,同大学院理学系研究科地球物理学博士課程修了.マサチューセッツ工科大学,東京大学物性研究所,同海洋研究所,同地震研究所,姫路工業大学(2004年度から兵庫県立大学)などで研究・教育に携わりながら,日本火山学会会長,火山噴火予知連絡会会長なども務める.現在はアドバンスソフト株式会社研究顧問.東京大学名誉教授.兵庫県立大学名誉教授.専門は固体地球物理学.主な著書に『地球の教科書』 『図説 地球科学』(編著;岩波書店),『〈岩波講座地球惑星科学14〉社会地球科学』(共著;岩波書店),『自然災害のシミュレーション入門』(朝倉書店),『地震予知と噴火予知』(ちくま学芸文庫),『火山爆発に迫る』(編著;東京大学出版会),『火山の事典』(編著;朝倉書店).

書評情報

東京新聞 2016年11月21日
ページトップへ戻る