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岩波科学ライブラリー

恐竜はホタルを見たか

発光生物が照らす進化の謎

地球上には数万種もの発光生物がいる.生物はいつどうやって光る能力を手に入れたのか.ダーウィンも悩んだ「進化の謎」に挑む.

恐竜はホタルを見たか
著者 大場 裕一
通し番号 249
ジャンル 書籍 > 自然科学書 > 岩波科学ライブラリー
書籍 > 岩波科学ライブラリー > 生態・環境
シリーズ 岩波科学ライブラリー
刊行日 2016/05/27
ISBN 9784000296496
Cコード 0345
体裁 B6 ・ 126頁
在庫 品切れ
昆虫,キノコ,魚など,地球上には数万種もの「光る生きもの」がいる.生物はいつ,どうやって光る能力を手に入れたのか.光を使った驚きの生存戦略とは.発光のしくみを解明し,進化の道筋を巻き戻していくと,舞台は暗闇に満ちた太古の深海へ.生物が放つ光に魅せられた著者が,ダーウィンも悩んだ「進化の謎」に挑む.[2色刷]
まえがき

1 意外に少ない陸上の発光生物
生きものが光るなんて,すごい/発光生物とは,生物発光とは/発光生物は陸上に少ない/光る昆虫は少ない/変わった陸の発光生物/植物はすべて光らない/光るキノコはごくわずか/四つ足の動物はぜんぶ光らない/遺伝子操作で光るサル?/淡水魚も光らない/未来の人間も光らない/生物が光るのは,すごいこと?

2 海が発光生物であふれているのはなぜか
海は発光生物であふれている/浮遊生活者の常套手段/どこからが深海なのか/カウンターイルミネーションが進化の鍵/光で威嚇する,光で警告する/光でエサを誘引する/照明装置としての発光は本当か/結局,海には発光生物が多いのか/海と陸のアンバランス

3 光るなんてことがなぜできる?
意外に解明されていない光る仕組みの科学/発光メカニズムは生物ごとに違う/ルシフェリンは基質,ルシフェラーゼは酵素/ホタルのお尻はなぜやけどしないのか/ホタルの発光はエコな発光/発光と酸素(O2)の関係/発光タンパク質/近い種同士は仕組みが同じ/電気や蓄光で光るものはいない/自力発光という光り方/共生発光という光り方/あと戻りできない共生関係

4 ティラノサウルスはホタルを見たか
ダーウィンの悩み/ホタルルシフェラーゼの進化/ホタルの進化を再現する/ホタルルシフェリンはどこから来たか/分子系統解析と年代推定/ティラノサウルスは緑色に光るホタルを見たか/ホタルがマズいのはわたしたちの祖先のせい

5 イクチオサウルスの巨大な眼は光るサメを見たか
海の巨大爬虫類は発光魚を見ていた/海で発光生物が頻繁に進化した二つの理由/発光バクテリアはなぜ光る/発光バクテリアが魚類とイカに発光をもたらした/もらえるものはもらっておこう/渦鞭毛藻とオキアミの発光/渦鞭毛藻とオキアミの関係/ウミホタルとキンメモドキの発光/ウミホタルとキンメモドキの関係/セレンテラジンは,セレンテレートだけじゃない/なぜみんなセレンテラジンを使っているのか/だれがセレンテラジンを作っているのか/コペポーダはカイアシ類/深層水のゴミは宝の山/「セレンテラジン仮説」の鍵はやはりコペポーダだった/わたしの仮説の難点

6 おわりに:進化のテープをリプレイしたら
陸にはわずか海にはたくさん/発光の方法はさまざま/原始哺乳類とホタル/海の進化,鍵はセレンテラジン/注目は,オタマボヤ/オタマボヤの謎を求めて/歴史をリプレイしても発光生物は現れるか/海がまた発光生物の世界になるとは限らない/発光生物の未来は…

あとがき
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大場裕一(おおば ゆういち)
1970年北海道札幌市生まれ.小1から高3まで山形県に育つ.北海道大学理学部化学科卒業.同大学院理学研究科修士課程修了.総合研究大学院大学博士課程修了.博士(理学).基礎生物学研究所博士研究員,名古屋大学大学院生命農学研究科助教を経て,現在,中部大学応用生物学部准教授.専門は発光生物学.未知の発光生物探しから,発光生物に関する文化資料の収集まで,発光生物に関するあらゆることに興味がある.
著書に『光るキノコと夜の森』(解説;岩波書店),『光る生きものはなぜ光る?』(文一総合出版),『ホタルの光は,なぞだらけ』『光るいきもの(3冊組)』(以上,くもん出版).他に『光る生き物(DVD付)』(学研プラス)の監修など.

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