フリーダ 愛と痛み

世界的な写真家,石内都が,封印を解かれたフリーダ・カーロの遺品を撮影.時を超えて蘇るフリーダの生.

フリーダ 愛と痛み
著者 石内 都
ジャンル 書籍 > 単行本 > 写真
刊行日 2016/06/17
ISBN 9784000611329
Cコード 0072
体裁 A4 ・ 110頁
定価 4,180円
在庫 在庫あり
色鮮やかな伝統衣装,アクセサリー,日用品.病との格闘が偲ばれるコルセット,薬――.世界的な写真家,石内都が,フリーダ・カーロが生涯をすごした「青の家」に封印されてきた遺品を,メキシコ人キュレーターの招聘により撮影.思いを宿すものたちとの対話から,時を超えて鮮やかに蘇るフリーダの生.(寄稿=桐野夏生)

◆封印を解かれた遺品たちとの対話――彼女が,今ここにいる.

メキシコを代表する画家,フリーダ・カーロ(1907-1954).
病や障害に苦しみ,時代の荒波に翻弄されつつも,ひとりの女性として,表現者として,熱く生きたフリーダ.
彼女の作品と人生は,現在でも世界中の多くの人々に支持されている.
今はフリーダ・カーロ博物館となっている,フリーダが終生をすごした《青の家》.
そのクローゼットやバスルームは,彼女の没後,固く閉ざされてきた.
2004年,没後50年を経て,その封印が解かれる.
2012年,メキシコ人キュレーターの要請を受け,石内都がフリーダ・カーロの遺品を撮影.
色鮮やかな伝統衣装,アクセサリー,化粧品,病との格闘が偲ばれるコルセット,医薬品――
思いを宿したものたちとの対話から,時を超えて蘇るフリーダの生.
メキシコとスペインに拠点を置く出版社,RMが2013 年に刊行した Frida by Ishiuchi とは一部写真が重なりますが(全体の15%程度),コンセプトが異なり,ほとんどが新規収録のもので構成された,日本オリジナルエディションの写真集です.
石内 都(いしうち みやこ)
1947年群馬県桐生市生まれ.神奈川県横須賀市で育つ.多摩美術大学デザイン科染織デザイン専攻,中退.
1979年,街の空気,気配,記憶をとらえた初期三部作のひとつ『APARTMENT』で第4回木村伊兵衛写真賞を受賞.同じ年生まれの女性の手と足をクローズアップした『1・9・4・7』以降,身体の傷跡を撮ったシリーズを展開.
2005年,母の遺品を撮影した『Mother’s 2000-2005 未来の刻印』で第51回ヴェネチア・ビエンナーレの日本代表に選出され,世界的な注目を集める.
2007年より現在まで続く,原爆で亡くなった人々の遺品を撮影した『ひろしま』も国際的に評価され,近年は国内外の美術館やギャラリーで個展を多数開催.
2012年には,大正・昭和に流行した着物・銘仙を撮った『絹の夢』を発表,2014年には子どもの着物を撮り下ろした『幼き衣へ』を発表するなど,布や記憶にまつわる作品に精力的に取り組んできた.
2014年には「写真界のノーベル賞」と言われるハッセルブラッド国際写真賞を受賞.
2015年,J・ポール・ゲティ美術館(ロサンゼルス)の個展「Postwar Shadows」では『ひろしま』がアメリカの美術館で初公開され,大きな反響を呼んだ.
なお,本写真集『フリーダ 愛と痛み』に収録する作品の撮影風景は,小谷忠典監督によりドキュメンタリー映画化された(「フリーダ・カーロの遺品 石内都,織るように」2015年).

書評情報

朝日新聞(朝刊) 2016年7月31日
読売新聞(朝刊) 2016年7月10日
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