岩波ブックレット 949

電力自由化で何が変わるか

セット割やクーポンだけで電気を選ばないで.

電力自由化で何が変わるか
著者 小澤 祥司
通し番号 949
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット > 経済
シリーズ 岩波ブックレット
刊行日 2016/04/05
ISBN 9784002709499
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 64頁
在庫 品切れ
この四月に電力市場が完全自由化される.家庭の電気を主体的に選べる一方「使えば使うほど安い」料金体系や不透明な電源構成などに懸念もある.送配電・小売・託送料金とは? 業界参入・再編でどうなる? 自然エネルギーや原発の行方は? 先行する欧米の現状は? 事業者パンフにはない疑問・課題もクリアに解説.

■著者からのメッセージ



 2016年以降続く電気と都市ガスの小売全面自由化は,全体としては既存電力会社,それも大手に利するのではないかと私は感じています.この自由化を単に「電気料金のバリエーションが増える」,「料金が下がる」といった表面的に見るだけでなく,その陰でどのような思惑がうごめいているのか,私たちにとって本当に必要なエネルギー体制がどういうもので,今回の自由化がそこに向かうことになるのか,そうでないのか,注視していくことが必要です.いろいろなところで述べているように,電気はとても貴重なエネルギーですし,エネルギーは電気だけではありません.私たちはいまこそ,賢く「エネルギーを選ぶ」ことが求められているのだと思います.
(「おわりに」より)
はじめに
Q1 日本の電力市場はどこに問題があったのか?
Q2 ヨーロッパの電力改革はどうなったのか?
Q3 アメリカの電力市場はどうなっているか?
Q4 日本の自由化はなぜ遅れたのか?
Q5 大手電力会社は分割されるのか?
Q6 停電が起こりやすくならないか?
Q7 新規参入小売電気事業者の顔ぶれは?
Q8 いろいろな料金メニューがあるが?
Q9 電力会社を切り替えるには?
Q10 再生可能エネルギーの電気を選べるか?
Q11 全面自由化で原発はどうなる?
Q12 電力以外のエネルギーも自由化される?
おわりに――誰のための電力自由化か
小澤祥司(おざわ・しょうじ)
環境ジャーナリスト.1956年静岡県生まれ.東京大学農学部卒業.主に生物多様性,再生可能エネルギー,持続可能な社会をテーマに執筆活動.以前から福島県飯舘村の村づくりに関わってきたことから,福島原発事故直後から村の放射能汚染調査,村民支援活動に取り組み,村に通い続けている.飯舘村放射能エコロジー研究会共同世話人.主書『メダカが消える日』『エネルギーを選びなおす』『水素社会はなぜ問題か』(以上岩波書店),『飯舘村 6000人が美しい村を追われた』(七つ森書館),『減電社会』(講談社).

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