改訂版 なぜ意識は実在しないのか

「心」なんて一般的なものはない!

改訂版 なぜ意識は実在しないのか
著者 永井 均
通し番号 学術350
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 哲学・思想・宗教
刊行日 2016/06/16
ISBN 9784006003500
Cコード 0110
体裁 A6 ・ 206頁
定価 1,122円
在庫 在庫あり
誰にでもあるとされている「意識」や「心」とはいったい何だろう? そもそも,それは本当に実在しているのだろうか? 古くから謎とされてきたこの難問に,著者独自の独在論と言語哲学・分析哲学のアプローチから挑む.親しみやすい講義形式で好評の単行本版の内容をさらに新しくし,深化させた永井ワールドを伝える全面改定版.

-

誰にでも共通にあるとされている「意識」や「心」とはいったい何だろうか? そもそも,それは本当に実在しているのだろうか? 古くから謎とされてきたこの難問に,著者独自の独在論と言語哲学・分析哲学のアプローチから挑む.時間との類比や言語の本質への考察から,われわれが「現実」と考えているものの根拠を問い直す.親しみやすい講義形式で好評の単行本版の内容をさらに一新,「第0次内包」から「無内包」の世界へと,進化した永井ワールドを読者に提供する全面改訂版.



■著者からのメッセージ

われわれはたいてい,各人に心とか意識とか呼ばれるものがあって,それは主としてその人の脳の働きによって作り出されて,というような世界像を信じています.この後半を信じない人でさえ,前半は信じているでしょう.今回の連続講義では,そういう世界像をまずは打ち壊したい.しかし,ただ打ち壊すのではなく,それがどのようにして成立したのか,どうして成立しなければならなかったのか,その仕組みを明らかにしたいと思います.この世界像は作り物にすぎないということを示す,という意味ではたしかに打ち壊すのですが,その作り物がわれわれにとって不可欠で,かつわれわれにとっての「現実」を作り出している,ということもあわせて示したいのです.
――「はじめに」より
永井 均(ながい ひとし)
1951年東京生まれ.慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得.専攻は哲学・倫理学.千葉大学教授などを経て,現在,日本大学文理学部哲学科教授.主な著書に『これがニーチェだ』『私・今・そして神』(講談社現代新書)『西田幾多郎』(日本放送出版協会)『転校生とブラックジャック』(岩波書店)『ウィトゲンシュタインの誤診』(ナカニシヤ出版)『哲学の密かな闘い』(ぷねうま舎)『哲おじさんと学くん』(日本経済新聞社)『存在と時間――哲学探究1』(文藝春秋)など.
ページトップへ戻る