河上肇 自叙伝(四)
獄中生活も2年目,満期服役の覚悟を決める.
獄中での生活も2年目に入り,仮釈放の噂が飛び交う.満期服役の覚悟をした後もなかなか止まぬ心の波動.そこにつけこむ行刑当局.「研究対象に関する主要材料を残らず全面的に把握」すべく努めた周到な経済学者河上肇が,条件の整わぬ環境の中で,検事の執筆要求を契機に,内心の葛藤を独自の宗教論,転向への思索へと昇華させてゆく.
獄中生活も2年目,満期服役の覚悟を決める.
獄中での生活も2年目に入り,仮釈放の噂が飛び交う.満期服役の覚悟をした後もなかなか止まぬ心の波動.そこにつけこむ行刑当局.「研究対象に関する主要材料を残らず全面的に把握」すべく努めた周到な経済学者河上肇が,条件の整わぬ環境の中で,検事の執筆要求を契機に,内心の葛藤を独自の宗教論,転向への思索へと昇華させてゆく.