十二支考 (上)

(全2冊)

十二支考 (上)
著者 南方 熊楠
通し番号 青139-1
ジャンル 書籍 > 岩波文庫 > 青(日本思想)
日本十進分類 > 社会科学
刊行日 1994/01/17
ISBN 9784003313916
Cコード 0139
体裁 文庫 ・ 458頁
定価 1,243円
在庫 在庫あり
十二支の動物はいずれも人間と深い関わりを持ち,人類の歴史とともに成長して,説話となって私たちの生活と結びついている.これらの動物について,古今東西の典籍を渉猟し尽くした著者(1867―1941)が,年の始めに蘊蓄を傾けた結果が本書である.奔放な語り口で自在に繰り広げられる知の饗宴.上巻には虎,兎,竜,蛇,馬の各篇を収めた.


■内容紹介
 難解と言われる南方熊楠の世界は,学問領域としては自然科学のうちの生物学と,人文科学のうちで民俗学が代表格にあり,両者の巧みな融合から独特な魅力がもたらされている.さまざまな主題がそこに展開するうちで,本書はもっとも民俗学的な話題にあふれており,南方が読破してきた古今東西にわたる文献類のうちで,人間と動物・植物との交流を表現する記事を,文字通り縦横無尽に駆使しながら,人獣交渉の民俗誌を世界大的な広がりのなかで浮彫させている.
 『十二支考』というように十二種の動物,もっとも牛は書かれていない.書誌的には,1914年1月から十年間にわたり,雑詩「太陽」に連載された.1914年が寅年なので,第一回目は虎となっている.十二支は中国から伝来した知識であるが,それは日本人の日常生活に深く浸透しており,本書でも十二支にちなむ動物たちが言あげされる.そうした世間の需要に応えるように,南方もかなり読者にサービスして,該博な知識をたっぷり紹介しており,興味あふれる内容なのである.
(「解説」より)
■上巻

虎に関する史話と伝説民俗
(一) 名義の事/(二) 虎の記載概略/(三) 虎と人や他の獣との関係/(四) 史話/(五) 仏教譚/(六) 虎に関する信念/(七) 虎に関する民俗
(付) 狼が人の子を育つること
(付) 虎が人に方術を教えた事

兎に関する民俗と伝説
(付) 兎と亀の話

田原藤太郎竜宮入りの話
話の本文/龍とは何ぞ/龍の起源と発達/龍の起源と発達(続き)/本話の出処系統

蛇に関する民俗と伝説
名義/産地/身の大きさ/蛇の特質/蛇と方術/蛇の魅力/蛇と財宝/異様なる蛇ども/蛇の足/蛇の変化/蛇の効用
(付) 邪視について
(付) 邪視という話が早く用いられた一例

馬に関する民俗と伝説
伝説一/伝説二/名称/種類/性質/心理/民俗(1)/民俗(2)/民俗(3)
(付) 白馬節会について


■下巻

羊に関する民俗と伝説

猴に関する伝説
(一) 概言/(二) 性質/(三) 民俗

鶏に関する伝説
概説

犬に関する伝説

猪に関する民俗と伝説

鼠に関する民俗と信念

解説(宮田 登)

書評情報

図書館教育ニュース 2010年1月8日号

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