林達夫評論集
歴史家として批評家としてまた編集者として,戦前・戦後を通じ,政治・思想・文化の動向につねに鋭い批判の矢を放ってきた林達夫.稀有なまでの自由な精神に支えられ,驚くほど多岐の領域にわたって展開するその著作すべてを貫く批評精神とは何なのか.ここに十八篇を精選して,林達夫の精神のスタイルを浮き彫りにする.
父と息子との対話 作庭記 鶏を飼う 拉芬陀 いわゆる剽窃 十字路に立つ大学 新聞について 大百科事典の時代錯誤 批評家棄権 歴史の暮方 反語的精神 『タイス』の饗宴 自己を語らなかった鷗外 デカルトのポリティーク ベルクソン『笑い』解説(『笑』をめぐって ベルクソン以後) 三つの指環の話 精神史