中世的世界の形成
東大寺庄園の,十―十六世紀の歴史を綿密に分析した著者は,「人間が生き,闘い,かくして歴史を形成してきた一箇の世界」を見事に再構成した.古代的支配者=東大寺,それに抗争しては蹉跌・敗北を繰り返す人々.これらはまた著者が直面した暗い谷間の日本社会そのものに他ならぬ.中世史学の最高傑作の一つ. (解説 石井 進)
書評情報
日本経済新聞(朝刊「リーダーの本棚」欄) 2019年1月4日(評者:平川 南さん)
東大寺庄園の,十―十六世紀の歴史を綿密に分析した著者は,「人間が生き,闘い,かくして歴史を形成してきた一箇の世界」を見事に再構成した.古代的支配者=東大寺,それに抗争しては蹉跌・敗北を繰り返す人々.これらはまた著者が直面した暗い谷間の日本社会そのものに他ならぬ.中世史学の最高傑作の一つ. (解説 石井 進)
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