徳川制度 (上)
(全3冊)
江戸城内から江戸の町や下層社会まで,文献史料等をもとに記録された歴史実録書.上巻には,町奉行,刑罰,非人,市場等を収録.
江戸城内から江戸の町や下層社会まで記録された歴史実録書.文献史料や故老からの聞書きなどをもとに,明治25~26年にかけて『朝野新聞』に連載されたものである.上巻には,町奉行,刑罰,牢屋,人足寄場,非人,町会所,火事,辻番,株式,市場などについての項目を収録.江戸の町の実態がよく分かる貴重な一冊.(全三冊)
■内容紹介
江戸時代の人々の生活については,時代劇や歌舞伎などうかがい知るところは多いけれども,その実際については今となってはなかなか掴みにくいのが実情でしょう.無名の庶民,岡っ引きや辻番,様々な階層の人々が生きた世間.罪科を得て牢に縛された囚人.これらの鮮明な記憶を綴ったのが本書です.
『朝野新聞』に明治25,6年に連載された「徳川制度」「徳川制度続編 金扇影」「東叡山寛永寺」他をまとめた大変に生き生きとした見聞録は,まるで縁故の古老から直接話を聞くかのようなリアリティです.記録そのものが大変に貴重で,他に得難いことはもちろんですが,話としても面白い.江戸時代に関心をもつ方,時代劇の愛好者,そして人間のことが好きな人なら必ず楽しめる一書です.たとえば上巻のこういう話はいかがでしょうか.
■本文より
さて,礼三郎は無事脱獄に成功するのでしょうか? また,閻魔などといかめしい呼び名を得た与七の決断は?
毎度の決め台詞で申し訳ありませんが,「続きは本書にてお確かめください」.
■内容紹介
江戸時代の人々の生活については,時代劇や歌舞伎などうかがい知るところは多いけれども,その実際については今となってはなかなか掴みにくいのが実情でしょう.無名の庶民,岡っ引きや辻番,様々な階層の人々が生きた世間.罪科を得て牢に縛された囚人.これらの鮮明な記憶を綴ったのが本書です.
『朝野新聞』に明治25,6年に連載された「徳川制度」「徳川制度続編 金扇影」「東叡山寛永寺」他をまとめた大変に生き生きとした見聞録は,まるで縁故の古老から直接話を聞くかのようなリアリティです.記録そのものが大変に貴重で,他に得難いことはもちろんですが,話としても面白い.江戸時代に関心をもつ方,時代劇の愛好者,そして人間のことが好きな人なら必ず楽しめる一書です.たとえば上巻のこういう話はいかがでしょうか.
■本文より
牢破り
(伝馬町の牢屋に囚われていた重罪人礼三郎が脱獄を企てる.礼三郎は隣の名主に断りを入れた)「今夜はチト騒がしきことが出来るかも知れねえから,勘弁して貰いてえ」と細声に断りいえば,大牢の名主閻魔の与七〈強盗〉聞き付けて「承知した」と答えたり.問答了れば,夜はまた寂びて,当番の者も眠りを引く頃,礼三郎いかがして得たりけん,櫛を挽くに用うる細き鋸にて,ソクソクと挽き始め,そのほかの者ども交る交る挽きて,やがて内鞘松の六寸角二本を切り放ち,さて取り外さんとすれば,世は隈なく明けたり.舌打ち鳴らして,「今日の間にゃあ間に合わねえか」と囁きてそのままになし
さて,礼三郎は無事脱獄に成功するのでしょうか? また,閻魔などといかめしい呼び名を得た与七の決断は?
毎度の決め台詞で申し訳ありませんが,「続きは本書にてお確かめください」.
総説
司法と市政
司法の事
評定所
箱訴
刑罰の事
江戸町奉行所
囚獄の事
人足寄場創立の由来
穢多の一大族制
非人の族制
乞丐の群
任大夫の企業
町会所
市制
町年寄の由来・町地割役の由緒(続編)
江戸の火事
辻番
経済と市場
株式
株式の売買
両替商
札差
金銭貸借の事(続編)
質商
髪結床
質商
魚市場
青物市場
校注
司法と市政
司法の事
評定所
箱訴
刑罰の事
江戸町奉行所
囚獄の事
人足寄場創立の由来
穢多の一大族制
非人の族制
乞丐の群
任大夫の企業
町会所
市制
町年寄の由来・町地割役の由緒(続編)
江戸の火事
辻番
経済と市場
株式
株式の売買
両替商
札差
金銭貸借の事(続編)
質商
髪結床
質商
魚市場
青物市場
校注
書評情報
日本史攷究 第38号(2014年12月)