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国家

上 全二冊

国家
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著者 プラトン , 藤沢 令夫
通し番号 青601-7
ジャンル 書籍 > 岩波文庫
日本十進分類 > 哲学/心理学/宗教
刊行日 1979/04/16
ISBN 9784003360170
Cコード 0110
体裁 文庫
在庫 重版中
ソクラテスは国家の名において処刑された.それを契機としてプラトンは,師が説きつづけた正義の徳の実現には人間の魂の在り方だけでなく,国家そのものを原理的に問わねばならぬと考えるに至る.この課題の追求の末に提示されるのが,本書の中心テーゼをなすあの哲人統治の思想に他ならなかった.プラトン対話篇中の最高峰.

■上巻目次

凡例
『国家』全篇の構成

第一巻~第五巻

訳者注

■下巻目次

凡例
『国家』全篇の構成

第六巻~第十巻

訳者注
解説

■『国家』全篇の構成

I 「前奏曲」――〈正義〉についてのいくつかの見解の検討.(第一巻)
導入部.(一章 327A ~328B)
1 ケパロスとの老年についての対話――〈正義〉とは何かという問題へ.(二章-五章 328B~331D)
2 ポレマルコスとの対話――〈正義〉とはそれそれの相手に本来ふさわしいものを返し与えることであるという,詩人シモニデスの見解の検討.(六章~九章 331E~336A)
3 トラシュマコスとの対話(十章~二四章 336B~354C)
(1) 〈正義〉とは強者(支配階級)の利益になることであるという,トラシュマコスの見解の検討
(2) 〈不正〉は〈正義〉よりも有利(得になること)であるか.

II 〈正義〉の定義――国家と個人における――.(第二巻-第四巻)
1 グラウコンとアディマントスによる問題の根本的な再提起.(第二巻一章~九章 357A~367E)
2 〈国家〉に関する考察――「最も必要なものだけの国家」と「贅沢国家」.国の守護者の持つべき自然的素質.(第二巻十章-十六章 367E~376E)
3 国の守護者の教育.(第二巻十七章-第三巻十八章 376E~412B)
(1) 音楽・文芸.
(a)何を語るべきか――文学(詩)における話の内容についての規範
(b)いかに語るべきか――単純な叙述(報告形式)と〈真似〉による叙述(劇形式).
(c)歌,曲調,リズム.
(d)音楽・文芸による教育の目的.
(2) 体育(および医術)のあり方.
4 国の守護者についての諸条件.(第三巻十九章-第四巻五章 412B~427C)
(1)守護者の選抜.建国の神話.
(2)守護者の生活条件,私有財産の禁止.
(3)守護者の任務.
5 国家の〈知恵〉〈勇気〉〈節制〉そして〈正義〉の定義.(第四巻六章-十章 427D~434C)
6 魂の機能の三区分.(第四巻十一章~十五章 434C ~441C)
7 個人の〈知恵〉〈勇気〉〈節制〉そして〈正義〉の定義.国家と個人の悪徳の問題へ.(第四巻 十六章-十九章)

III 理想国家のあり方と条件,とくに哲学の役割について.(第五巻-第七巻)
A 三つのパラドクス(「大浪」).
導入部.(第五章一章-二章 449A~451C)
1 第一の「大浪」――男女両性における同一の職務と同一の教育.(第五巻三章-六章 451C~457B)
2 第二の「大浪」――妻女と子どもの共有.戦争に関すること.(第五巻七章-十六章 457B~471C)
3 第3の「大浪」――哲学者が国家を統治すべき事.(第五巻十七章-十八章 471C~474C)
B 〈哲学者〉の定義と〈哲学〉のための弁明
1 〈哲学者〉とは? ――イデア論にもとづくその規定.(第五巻十九章~二十二章 474C~480A)
2 哲学者は国家の統治に適した自然的素質を有すること.(第六巻一章-二章 484A-487A)
3 哲学無用論の由来と,現代社会における哲学的資質の堕落の必然性,にせ哲学者のこと.(第六巻三章~十章 487B~497A)
4 しかし哲人統治者の実現は不可能ではないこと.(第六巻十一章-十四章 497A~502C)
C 哲人統治者のための知的教育.
1 「学ぶべき最大のもの」(認識の最高目標)――〈善〉.(第六巻十五章-十七章 502C~506B)
2 〈善〉のイデア=太陽の比喩.(第六巻十八章-十九章 506B~509B)
3 線分の比喩.(第六巻二十章-二十一章 509C~511E)
4 洞窟の比喩.(第七巻一章-五章 514A~521B)
5 「魂の向け変えと」と「真実在への上昇」のための教育プログラム.(第七巻六章-十八章 521C~541B)
(1) 「前奏曲」(補助的準備的学科目)としての数学的諸学科.
(a)数と計算.学ばれるべき学科目は知性の活動を呼び起こす性質のものでなければならぬことの確認.
(b)幾何学.
(c)立体幾何学
(d)天文学.
(e)音楽理論(音階論).
(2) 本曲としての哲学的問答.(ディアレクティケー)
(3) 以上の諸学科をどのような人間に,それぞれいつ,いかにして課するか――学習・研究の年齢と具体的プログラム.

IV 不完全国家とそれに対応する人間の諸形態.正しい生と不正な生の比較.(第八巻-第九巻)
導入部――当初の問題への復帰.考察の方法と手順.(第八巻一章-二章 543A~545C)
1 理想国家(優秀者支配制)から名誉支配制への変動.名誉支配制国家と名誉支配制的人間.(第八巻三章-五章 545A-550C)
2 寡頭制国家と寡頭制的人間.(第八巻六章-九章 550c~555B)
3 民主制国家と民主制的人間.(第八巻十章-十三章 555B~562A)
4 僭主独裁制国家と僭主独裁制的人間.(第八巻十四章-第九巻三章 562A~576B)
5 幸福という観点から見た正しい生と不正な生の比較.(第九巻四章-十三章 576B~592B)
(1) 僭主(独裁者)の生は最も不幸であり,優秀者支配制的人間(または哲学者)の生は最も幸福であること.
(a)国政のあり方との対応にもとづく証明.
(b)魂の機能の三区分にもとづく証明.
(c)真実の快楽と虚偽の快楽の別にもとづく証明.
(2) 〈不正〉が利益になる(得になる)という説は完全に誤りであり。〈正義〉こそが人間にとって真に利益となること.

V 詩(創作)への告発.〈正義〉の報酬.(第十巻)
A 詩歌・演劇の本質に関する考察.(一章-八章 595A~608B)
1 〈真似〉(描写)(ミーメーシス)としての詩作について――それが作り出すものは真実(イデア)から遠ざかること第三番目の序列にあり,詩人(作家)は自分が真似て描く物事について知識を持たないこと.(一章-四章 595A~602B)
2 詩(創作)の感情的効果について――〈真似〉(描写)としての詩(創作)は魂の劣った部分に働きかけるものであり,人間の性格に有害な影響を与えるものであること.(五章-八章 602C~621C)
B 〈正義〉の報酬.(九章-十六章 608C~621D)
1 魂の不死と,魂の本来の姿.(九章-十一章 608C~612A)
2 現世における〈正義〉の報酬(十二章 612A~613E)
3 死語における〈正義〉の報酬,エルの物語――大団円.(十三章-十六章 614A~621D)
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