全体性と無限 (下)

(全2冊)

20世紀を代表する哲学者の主著.他者の「顔」をめぐる著名な議論は,存在論から他者論への新たな展開を切り開いた.

全体性と無限 (下)
著者 レヴィナス , 熊野 純彦
通し番号 青691-2
ジャンル 書籍 > 岩波文庫 > 青(哲学・教育・宗教)
日本十進分類 > 哲学/心理学/宗教
刊行日 2006/01/17
ISBN 9784003369128
Cコード 0112
体裁 文庫 ・ 並製 ・ 382頁
定価 1,111円
在庫 在庫あり
20世紀を代表する哲学者の主著.下巻では,他者の「顔」をめぐる著名な議論が展開され,「同」に対する「他」の優位,存在論に対する倫理学の優位が説かれる.暴力と殺戮が蔓延し,人間性が日々焼きつくされる時代を生きのびた1人のユダヤ人思想家が,主体と他者の回復に向けた,困難な希望をたぐりよせる.(全2冊)
■上巻目次

凡例
序文

第一部 〈同〉と〈他〉
A 形而上学と超越
 一 見えないものへの渇望
 二 全体性との絶縁
 三 超越は否定的なものではない
 四 形而上学は存在論に先だつ
 五 〈無限なもの〉の観念としての超越
B 分離と語り 
 一 無神論あるいは意志
 二 真理
 三 語り
 四 レトリックと不正
 五 語りと倫理
 六 形而上学的なものと人間的なもの
 七 対面という還元不可能な関係
C 真理と正義
 一 問いただされる自由
 二 自由の任命または批判
 三 真理は正義を前提している
D 分離と絶対的なもの

第二部 内部性とエコノミー
A 生としての分離
 一 志向性と社会的関係
 二 ~によって生きること(享受).成就という概念
 三 享受と自存性
 四 欲求と身体性
 五 《私》が私であることとしての情動性
 六 享受する〈私〉は生物学的なものでも社会学的なものでもない
B 享受と表象
 一 表象と構成
 二 享受と糧
 三 始原的なもの,ならびにものと道具
 四 感受性
 五 始原的なものという神話的な様式
C 〈私〉と依存
 一 喜びとその明日
 二 生への愛
 三 享受と分離
D 住まい
 一 住まうこと
 二 住まうことと女性的なもの
 三 〈家〉と所有
 四 所有と労働
 五 労働,身体,意識
 六 表象の自由と贈与
E 現象の世界と表出
 一 分離とはエコノミーである
 二 作品と表出
 三 現象と存在

訳註


■下巻目次

凡例

第三部 顔と外部性
A 顔と感受性
B 顔と倫理
 一 顔と無限なもの
 二 顔と倫理
 三 顔と理性
 四 語りが意味を創設する
 五 ことばと客観性
 六 〈他者〉と多くの〈他なるもの〉
 七 間人称的なものの非対称性
 八 意志と理性
C 倫理的関係と時間
 一 多元性と主体性
 二 交易,歴史的関係,顔
 三 意志と死
 四 意志と時間――忍耐
 五 意欲することの真理

第四部 顔のかなた
A 〈愛〉の両義性
B 〈エロス〉の現象学
C 多産性
D 〈エロス〉における主体性
E 超越と多産性
F 息子であることと兄弟であること
G 時間という無限なもの

結論
 一 似たものから〈同〉へ
 二 存在とは外部性である
 三 有限なものと無限なもの
 四 創造
 五 外部性とことば
 六 表出とイメージ
 七 〈中立的なもの〉の哲学に抗して
 八 主体性
 九 主体性主体性の維持――内部的な生の実在性と国家の実在性――主体性の意味
 十 〈存在〉のかなた
 十一 任命された自由
 十二 善さとしての存在,《私》,多元性,〈平和〉

訳註
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