ヘルダーリン詩集

ドイツの孤高の純粋詩人ヘルダーリン(1770-1843)の詩は,気高く澄み渡っている.代表作30数篇を収録.

ヘルダーリン詩集
著者 川村 二郎
通し番号 赤411-3
ジャンル 書籍 > 岩波文庫 > 赤(外国文学/ドイツ)
日本十進分類 > 文学
刊行日 2002/05/16
ISBN 9784003241134
Cコード 0198
体裁 文庫 ・ 並製 ・ カバー ・ 272頁
在庫 品切れ
ドイツの孤高の詩人ヘルダーリン(1770-1843)の詩は,理想の世界を遠望し,どこまでも気高く美しい.彼が「ディオティーマ」と呼んだ女性との運命的な出会いと別れを経て,その詩は天上的とも類えられる境地に達した.しかしその直後,30代半ば頃から精神の均衡を失した彼は,精神的薄明の中でその後半生を生きねばならなかった.


■内容紹介
 ゲーテの詩は他の詩人の作品と比較することができる.しかしヘルダーリンの詩は,他のいかなる作品とも比較することができない.哲学者のカール・ヤスパースは,そういっている.
 ドイツ近代詩の世界で,最大の存在はゲーテである.どれほど権威主義を嫌悪し,文学の場に階級差別や序列づけを持ちこむのを忌避する人でも,このことばかりは認めざるを得ないだろう.(中略)
 ヘリングラートは,「ヘルダーリンとドイツ人」と題する講演で,ゲーテの及びがたい高さ,広さにふれ,それに比べればヘルダーリンは小さいし狭い,しかしその代わりヘルダーリンには,比類を絶する内的な充溢があり,外は局限されていても中には無限の成就がある,ここにはいわば「貧しさの富」の栄光があり,その側から見ればゲーテには「最も豊かな者の貧しさ」が見て取れるだろう,とまでいっている.
(「解説」より)

書評情報

週刊朝日 2002年6月28日号
産経新聞(朝刊) 2002年6月2日

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