電子書籍対応
雇用,利子および貨幣の一般理論 (上)
現代の経済学は,ケインズ抜きには語れない.雇用と有効需要を軸に,資本主義の主要問題と対峙する画期的な体系書.待望の新訳.
経済学の歴史に「ケインズ革命」と呼ばれる一大転機を画した書.新古典派理論の特殊性と決別し,それに代わる包括的な「一般理論」を打ち立てた.資本主義の抱える大量失業と不安定な経済循環への処方箋として,雇用と有効需要,利子率と流動性とを組み合わせた独自の体系を構想.現代経済学の出発点にして,今なお必読の古典の待望の新訳.
■「序論」より
私は本書を『雇用,利子および貨幣の一般理論』と名づけた.という接頭辞に力点をおいてである.このような標題を付したのは,私の議論と結論の性格を,同じ主題をめぐるの理論――私を育み,そして過去一〇〇年がそうであったように,現代においても,統治階級と学者階級の経済的思考を理論,実践の両面において支配する古典派理論のそれに対比させるためである.古典派理論の公準が妥当するのは特殊な事例のみで一般的には妥当せず,その想定する状態はおよそ考えうる均衡状態の中の極限状態であると主張するつもりである.そればかりか古典派理論の想定する特殊な事例はあいにくわれわれが現実に生活を営んでいる経済社会の実相を映すものではない.それゆえ古典派の教えを経験的事実に適用とするならば,その教えはあらぬ方向に人を導き,悲惨な結果を招来することになるだろう.
■「序論」より
私は本書を『雇用,利子および貨幣の一般理論』と名づけた.という接頭辞に力点をおいてである.このような標題を付したのは,私の議論と結論の性格を,同じ主題をめぐるの理論――私を育み,そして過去一〇〇年がそうであったように,現代においても,統治階級と学者階級の経済的思考を理論,実践の両面において支配する古典派理論のそれに対比させるためである.古典派理論の公準が妥当するのは特殊な事例のみで一般的には妥当せず,その想定する状態はおよそ考えうる均衡状態の中の極限状態であると主張するつもりである.そればかりか古典派理論の想定する特殊な事例はあいにくわれわれが現実に生活を営んでいる経済社会の実相を映すものではない.それゆえ古典派の教えを経験的事実に適用とするならば,その教えはあらぬ方向に人を導き,悲惨な結果を招来することになるだろう.
――「第一篇 第一章」
訳者序文
凡 例
序 文
第一篇 序 論
第一章 一般理論
第二章 古典派経済学の公準
第三章 有効需要の原理
第二篇 定義と概念
第四章 単位の選定
第五章 産出量と雇用の決定因としての期待
第六章 所得、貯蓄および投資の定義
付論 使用費用について
第七章 貯蓄と投資の意味──続論
第三篇 消費性向
第八章 消費性向(一)──客観的要因
第九章 消費性向(二)──主観的要因
第一〇章 限界消費性向と乗数
第四篇 投資誘因
第一一章 資本の限界効率
第一二章 長期期待の状態
第一三章 利子率の一般理論
第一四章 古典派の利子率理論
付論 マーシャル『経済学原理』、リカード『政治経済学原理』、その他に見られる利子率について
第一五章 流動性への心理的誘因と営業的誘因
第一六章 資本の性質に関するくさぐさの考察
第一七章 利子と貨幣の本質的特性
第一八章 雇用の一般理論──再論
訳 注
凡 例
序 文
第一篇 序 論
第一章 一般理論
第二章 古典派経済学の公準
第三章 有効需要の原理
第二篇 定義と概念
第四章 単位の選定
第五章 産出量と雇用の決定因としての期待
第六章 所得、貯蓄および投資の定義
付論 使用費用について
第七章 貯蓄と投資の意味──続論
第三篇 消費性向
第八章 消費性向(一)──客観的要因
第九章 消費性向(二)──主観的要因
第一〇章 限界消費性向と乗数
第四篇 投資誘因
第一一章 資本の限界効率
第一二章 長期期待の状態
第一三章 利子率の一般理論
第一四章 古典派の利子率理論
付論 マーシャル『経済学原理』、リカード『政治経済学原理』、その他に見られる利子率について
第一五章 流動性への心理的誘因と営業的誘因
第一六章 資本の性質に関するくさぐさの考察
第一七章 利子と貨幣の本質的特性
第一八章 雇用の一般理論──再論
訳 注