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アメリカのデモクラシー 第一巻(下)

大規模な近代的デモクラシーの実験を検証

アメリカのデモクラシー 第一巻(下)
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著者 トクヴィル , 松本 礼二
通し番号 白9-3
ジャンル 書籍 > 岩波文庫
日本十進分類 > 社会科学
刊行日 2005/12/16
ISBN 9784003400937
Cコード 0131
体裁 文庫 ・ 並製 ・ カバー ・ 480頁
在庫 在庫僅少
大国となりつつある米国で,デモクラシーが前例のない大規模に機能するには何が問題になるかを検証,後世の米ソ対立を予言する文章で締めくくる.「いつの日か世界の半分の運命を手中に収めることになるように思われる」(全4冊)

■「第二部 第10章」より

 今日,地球上に,異なる点から出発しながら同じゴールを目指して進んでいるように見える二大国民がある.それはロシア人とイギリス系アメリカ人である.
 どちらも人の知らぬ間に大きくなった.人々の目が注がれているうちに,突如として第一級の国家の列に加わり,世界はほぼ同じ時期に両者の誕生と大きさを認識した.
 他のあらゆる国民はすでに自然の引いた限界にほぼ達しており,後は守るだけであるが,両者は成長の途上にある.他のあらゆる国民は引きとめられ,多大の努力を払わなければ前に進めないが,両者だけは軽やかにして速やかな足取りで行くべき道を歩き,その道がどこで終わるのか,いまだに目に見えない.
 アメリカ人は自然がおいた障害と闘い,ロシア人は人間と戦う.一方は荒野と野蛮に挑み,他方はあらゆる武器を備えた文明と争う.それゆえ,アメリカ人の征服は農夫の鋤でなされ,ロシア人のそれは兵士の剣で行われる.
 目的の達成のために,前者は私人の利害に訴え,個人が力を揮い,理性を働かせるのに任せ,指令はしない.
 後者は,いわば社会の全権を一人の男に集中させる.
 一方の主な行動手段は自由であり,他方のそれは隷従である.
 両者の出発点は異なり,たどる道筋も分かれる.にもかかわらず,どちらも神の隠された計画に召されて,いつの日か世界の半分の運命を手中に収めることになるように思われる.

書評情報

UP 2017年4月号
産経新聞 2017年3月13日

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