山岳紀行文集 日本アルプス
「余が鎗ケ嶽登山をおもひ立ちたるは一朝一夕のことにあらず.何が故に然りしか.山高ければなり.山尖りて嶮しければなり」.小島烏水(一八七三―一九四八)が本格的に登山を始めた明治三○年代,日本アルプスはまだ正確な地図もなく,地元の熟練の猟師のみが知る秘境だった.後進登山家の血をわかせた,先駆者烏水の山岳紀行文から精選.
「余が鎗ケ嶽登山をおもひ立ちたるは一朝一夕のことにあらず.何が故に然りしか.山高ければなり.山尖りて嶮しければなり」.小島烏水(一八七三―一九四八)が本格的に登山を始めた明治三○年代,日本アルプスはまだ正確な地図もなく,地元の熟練の猟師のみが知る秘境だった.後進登山家の血をわかせた,先駆者烏水の山岳紀行文から精選.