森鷗外の系族
長兄鷗外,次兄三木竹二.対照的な2人を才気煥発な妹の筆が生き生きと描きだす.(解説=中井義幸)
鷗外の思い出はもちろん,それぞれに個性的な森家の人々の肖像が生き生きと浮び上がる回想記.特に,雑誌『歌舞伎』を主宰し劇評に新風を吹きこんだ次兄三木竹二について書かれたものは,本書がほとんど唯一の貴重な資料である.明治の知的な中流家庭の生活がうかがえる随筆に,歌,創作なども併せて収録.(解説=中井義幸)
書評情報
東京新聞(朝刊) 2001年5月20日