電子書籍対応

堕落論・日本文化私観

他二十二篇

作家として生き抜く覚悟に貫かれた安吾の視線は,物事の本質にグサリと突き刺さる.考える人・思想家・安吾.(解説=七北数人)

堕落論・日本文化私観
著者 坂口 安吾
通し番号 緑182-1
ジャンル 書籍 > 岩波文庫 > 緑(現代日本文学)
日本十進分類 > 文学
刊行日 2008/09/17
ISBN 9784003118214
Cコード 0195
体裁 文庫 ・ 並製 ・ カバー ・ 406頁
在庫 在庫あり
昭和21年4月に発表された「堕落論」によって,坂口安吾は一躍時代の寵児となった.処世術などクソ食らえ.自分にとって恥しくない内なる自己.他者などではない,この〈自己〉こそが一切の基準だ.それと戦い続けること.作家として生き抜く覚悟に貫かれた安吾の視線は,物事の本質にグサリと突き刺さる.(解説=七北数人)


■編集部からのメッセージ
 坂口安吾(1906-1955)が死んで50年以上が経ちました.いよいよ安吾の本が岩波文庫に初登場します.安吾は1946(昭和21)年,雑誌『新潮』に発表された「堕落論」「白痴」によって脚光を浴び,太宰治などとともに一躍時代の寵児となりました.
 今あらためて安吾の書いた膨大な数の文章の中からその精髄とも言うべき逸品を選び出し,凝縮された形のアンソロジーを編むことで,安吾の面白さ・偉大さをより多くの読者の方々に知っていただけたら,との思いがあります.
 本書を読んでいただければ,他者ではなく,あくまでも自分自身を基準に,自分の頭で徹底的に考え抜く安吾の姿勢が必ず伝わってくるものと確信しています.安吾は作家として生き抜く〈覚悟〉を決めた人でした.〈覚悟〉を決めた人だからこそ見えたもの――その言葉には圧倒的な力があります.
 「武者ぶるい論」と「インチキ文学ボクメツ雑談」の2篇はこれまで全集にも収録されていなかったものです.ぜひ読んでいただければと思います.
ピエロ伝道者
FARCEに就て
ドストエフスキーとバルザック
意慾的創作文章の形式と方法
枯淡の風格を排す
文章の一形式
茶番に寄せて
文字と速力と文学
文学のふるさと
日本文化私観
青春論
咢堂小論
堕落論
堕落論〔続堕落論〕
武者ぶるい論
デカダン文学論
インチキ文学ボクメツ雑談
戯作者文学論
余はベンメイす
恋愛論
悪妻論
教祖の文学
不良少年とキリスト
百万人の文学

解説(七北数人)

書評情報

静岡新聞 2019年5月5日(評者:加藤秀俊さん)
日本経済新聞(夕刊) 2019年4月19日(評者:荻野アンナさん)
愛媛新聞 2019年2月19日
徳島新聞 2019年2月3日
毎日新聞(朝刊) 2011年11月6日
朝日新聞(朝刊) 2010年10月27日
東京新聞(夕刊) 2009年4月7日

電子書籍

価格は各電子書籍書店にてご確認ください

ページトップへ戻る