大石良雄・笛
いかにも人間らしい,屈折した家庭人「大石良雄」.老いた母親の孤独を繊細な筆遣いで描いて,しみじみと読者の胸を打つ「笛」.
「大石良雄」は弥生子41歳の作.この小説における大石良雄は世の定説となっている英雄ではない.いかにも人間らしい, 屈折した家庭人大石良雄である.「笛」は79歳の作.夫の死後,身を粉にして働いて育てた子供が自分から離れていく-老いた母親の孤独を繊細な筆遣いで描いて,しみじみと読者の胸を打つ.(解説=加賀乙彦)
いかにも人間らしい,屈折した家庭人「大石良雄」.老いた母親の孤独を繊細な筆遣いで描いて,しみじみと読者の胸を打つ「笛」.