岩波ブックレット

後藤田正晴 語り遺したいこと

このままでは,日本は再び悲劇を迎える.急逝した元副総理・後藤田正晴は何に憂慮していたのか.

後藤田正晴 語り遺したいこと
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著者 後藤田 正晴 , 加藤 周一 , 国正 武重
通し番号 667
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット
日本十進分類 > 社会科学
刊行日 2005/12/06
ISBN 9784000093675
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 64頁
在庫 品切れ
「このままでは,日本人は再び地獄を見ることになるよ」――.急逝した元副総理・後藤田正晴の言葉である.引退後も「政界ご意見番」として存在感を示し続けた後藤田は,日本の何に危機感を抱いていたのか.最後までアジアとの和解に情熱を傾け,憲法と議会制民主主義の価値を説き続けた保守政治家の「遺言」とも言える発言録.

■編集部からのメッセージ

 「私は昭和5,6年の日本を知っています.満州事変へ突入するときの軍の動き,迎合するマスコミ,それに付和雷同した国民の動きなど,当時の状況と今は何か似ています.日本人の欠点はみんなに流される.「ちょっと待て」「ちょっとおかしいぞ」とはいわないのです.私の世代はもうすぐ滅びます.この5,6年は変革期です.冷静に道を過たず,日本が進むべき道を探っていただきたいと思います.」
 「このままじゃ日本は地獄に落ちるよ.おちたところで目を覚ますのかもしれないが,それではあまりに寂しい」

 上の警句はいずれも「カミソリ」後藤田といわれた,元副総理・故後藤田正晴氏の言葉です.いま,向かいつつある社会,流されていきつつあるその先の社会への懸念を,繰り返し繰り返し口にしていた後藤田氏が雑誌「世界」で発言したものを再構成.多国間協調主義の重要性,日米関係の見直しの必要,首相への権力集中の危険性,自衛隊の海外派遣への厳然たる反対…….
  今まさに必要とされるその「遺言」を,国正武重氏の解説とともにまとめました.
歴史に正対しなければ,未来はない 対談:加藤周一

日米安保を見直す時期だ インタビュー:国正武重

【解説】後藤田正晴さんの「遺言」…国正武重
後藤田正晴(ごとうだ・まさはる)
政治家.元副総理.1914年生まれ.東京大学法学部卒業後,内務省,防衛庁,警察庁を経て衆議院議員.自治相,官房長官,総務庁長官,副総理などを歴任した.2005年9月,急逝.『情と理』『後藤田正晴の目』など著書多数.
加藤周一(かとう・しゅういち)
評論家,作家.1919年生まれ.東京大学医学部卒.戦後,文学者として『1946文学的考察』を発表,以後さまざまな領域で,旺盛な文筆活動を続ける.『加藤周一著作集』,『加藤周一対話集』のほか,『羊の歌』『夕陽妄語』『私にとっての20世紀』など著書多数.
国正武重(くにまさ・たけしげ)
政治評論家,ジャーナリスト.1933年生まれ.早稲田大学法学部卒業後,朝日新聞に入社.政治部次長をへて編集委員に.1995年退社し,以後フリーとして活躍.著書に『漂流する政治』『戦後政治の素顔――記者の証言』『湾岸戦争という転回点』,編著に『戦争体験は無力なのか ある政治記者の遺言』『自民単独支配の終焉』など多数.
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