米軍再編

その狙いとは

進行する世界規模での米軍大再編.その真の狙いは何か.在日米軍の質的変化がもたらすものとは?

米軍再編
著者 梅林 宏道
通し番号 676
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット
刊行日 2006/05/30
ISBN 9784000093767
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 64頁
在庫 品切れ
世界のどこにでも,10日以内に兵を展開し,30日以内に勝利する――.その,対テロ戦争へ向けて,世界規模で米軍の大再編が行われようとしている.5月1日に合意された日米間の在日米軍再編も,その一環である.米軍再編の真の狙いは何か,日本に何が求められているのか.質的大変化をもたらす再編の意味を,詳細に解説する.

■著者からのメッセージ

 日本においては,「米軍再編とは米軍基地再編のこと」と理解されるほど,その関心の多くは,米軍基地の再編に向けられてきた.確かに,米軍基地の存在は,各地で地域社会に重大な影響を及ぼしてきた.それらが周辺住民や自治体にとって切実な問題である以上,米軍再編問題がまず基地問題として関心を呼ぶことは当然である.
 しかし,日米で合意されたのは「日米同盟」の「転換と再編」である.つまり,日米は,根本的な変化をめざして合意したのである.
 結果として在日米軍や米軍基地の再編が起こる.しかし,問題はそれだけに留まらない.「自衛隊再編」は確実に起こる.もう少し見えにくいが,有事法制に絡む「民間協力再編」も進行する.ミサイル防衛協力を先駆けに,日米合同作戦の司令部が,実質的に形成される.このように,今回の合意は日本の政治的,社会的秩序の転換を加速させるであろう.
 米軍再編の狙いは何か.私たちに問われている選択は何か.このブックレットでできるだけわかりやすく明らかにしたい.
(「はじめに――大きな選択が問われている」より)
はじめに――大きな選択が問われている
I 米軍の狙いは?
II 世界で何が起こっている?
III 日本での狙いは?
IV 自衛隊はどう変わる?
V 米軍基地はどう変わる?
むすび――地域から平和への攻勢を

【画像あり】
梅林宏道(うめばやし・ひろみち)
1937年生まれ.東京大学大学院を修了後,大学教員を務めるが1980年に退職.フリーの反戦平和活動家としてピースデポを設立.現在,ピースデポ代表.太平洋軍備撤廃運動(PCDS)国際コーディネーターなどをつとめる.
著書に『アジア米軍と新ガイドライン』(岩波ブックレット),『在日米軍』(岩波新書),『情報公開法でとらえた在日米軍』(高文研),『情報公開法でとらえた沖縄の米軍』(高文研),訳書に『核兵器廃絶への新しい道』(高文研),『検証「核抑止論」』(共訳,高文研)など多数.

書評情報

Jウィング 2006年9月号
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