共謀罪とは何か

犯罪に関わることを「話し合っている」段階で犯罪となり処罰される.この法案の危険性を解説する.

共謀罪とは何か
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著者 海渡 雄一 , 保坂 展人
通し番号 686
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット
刊行日 2006/10/05
ISBN 9784000093866
体裁 A5 ・ 並製 ・ 72頁
定価 本体480円+税
在庫 在庫あり
犯罪に関わることを「話し合っている」段階で犯罪となり,処罰される.そんな従来の法体系とは全く違う法案の成立が目論まれている.何をもって成立する犯罪なのか,定義も成立要件も曖昧なまま…….この法案が私たちにとって,そして市民社会にとってなぜ危険なのか,平易に解説する.


■著者からのメッセージ

 自民党の新総裁に決まり,次期総理が確実視される安倍晋三氏は,「共謀罪の整備を急がなければならない」と前のめりの姿勢を示しています.「治安が悪化している」から「やっぱり共謀罪は必要ではないか」という声もきかれます.「自分たちの日々の生活には関係ないし……」と思っている人も多いでしょう.でも,本当にそうでしょうか.冷静な議論をするためにも,共謀罪とは何か,どこが問題なのか,論点を共有して,あなたにも共謀罪論議の中に入っていただきたいと思います.
保坂展人(「はじめに」より)

 極端な治安強化のための立法は,社会的な混乱を広げて,テロと犯罪の危険性をかえって激化させる危険性すらあります.共謀罪は,犯罪・テロへの過剰な恐怖が生み出した,人間の自由の墓場の入り口といわざるをえません.
 私たちの社会は,市民の自立的な活動によって,政府の政策が変えられる社会です.しかし,共謀罪の組み込まれた社会では,人間の自由なコミュニケーションは不可能になり,市民の活動によって社会を変えていくことは非常に難しくなるでしょう.そういう意味で,共謀罪の問題は,どういう社会を私たちが選択するかという問題に直結しているのです.
海渡雄一(「おわりに」より)
はじめに
第一章 ただの「目配せ」で共謀罪成立?――共謀の定義と成立要件
第二章 犯罪の手前から引き返してくる
「黄金の橋」を焼き捨てていいのか
第三章 共謀罪の対象となるのは,組織的犯罪集団に限らない
第四章 「共謀」を実行に移す「行為」とは何か
第五章 共謀罪はなぜ生まれたか
第六章 国連条約に基づくあらたな犯罪捜査がもたらす監視社会
第七章 共謀罪は不要――国連条約の批准をめぐって
おわりに
海渡雄一(かいど・ゆういち)
1955年生まれ.弁護士.81年弁護士登録,第二東京弁護士会所属.日弁連刑事拘禁制度改革実現本部,国際刑事立法対策委員会委員.また,95年の結成以来,監獄人権センター事務局長をつとめる.著書に『監獄と人権2』(編著,明石書店),『危ないぞ! 共謀罪』(編著,樹花舎),『刑事司法改革 ヨーロッパと日本』(共著,岩波ブックレット)など.
保坂展人(ほさか・のぶと)
1955年生まれ.衆議院議員(社民党).80年代よりジャーナリストとして学校問題のルポを次々と発表.96年から2期7年間,衆議院議員.03年で落選するも,05年に3選.法務委員会や本会議などでの質問に立つこと385回を数えた.著書に『年金を問う』(岩波ブックレット),『佐世保事件からわたしたちが考えたこと』(共著,ジャパンマシニスト社),『官の錬金術』(共著,WAVE出版)など.

書評情報

朝日新聞(朝刊) 2017年6月11日
社会評論 No.148(2007年冬)
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