いのちの対話 死に方上手

自分らしく,丁寧に生きれば,必ず「いい死」はやってくる.生き方の達人が語る現代版『往生要集』.

いのちの対話 死に方上手
著者 鎌田 實 , 山折 哲雄 , 嵐山 光三郎 , 加藤 登紀子 , 村上 信夫
通し番号 732
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット
日本十進分類 > 社会科学
刊行日 2008/07/08
ISBN 9784000094320
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 56頁
在庫 品切れ
人間は誰でも死を避けて通ることはできない.必ず死ぬのなら,生きてきてよかったと思える死に方をしたいもの…….さて,それではいったいどうすればいいのか.この際,「縁起でもない」などと言わず,正面から死と向き合ってみよう.生き方の達人が縦横無尽に語り合う,現代版『往生要集』.好評を博したNHKラジオ番組の記録.

■編集部からのメッセージ

NHKラジオ「鎌田實 いのちの対話」は,『がんばらない』『あきらめない』などの著作で知られる医師の鎌田實さんをホスト役に,村上信夫アナウンサーの司会のもと,さまざまなゲストが“いのち”について語りあう番組です.回を重ねるごとに,多くの反響を呼んでいます.
 本書は,過去の「いのちの対話」の放送より,「死に方上手」をテーマとして行った対話を再構成したものです.
 村上さんは言います――「死に方上手」というテーマは,死をとやかく論じるものではない.むしろ生き方を問うものである.人は生きてきたように死んでいく.だから生きてきてよかったと思える死に方をするにはどうしたらいいのか対話しようと,このテーマを決めたのだった.「いのちの対話」をしている以上,死を真正面から見据えぬわけにはいかないと考えたのだ――と.
 毎日「死ぬ訓練」をされているという宗教学者の山折哲雄さん,何度も生死の境をさ迷った経験から「死ぬための教養」を身につけた作家の嵐山光三郎さん,大切なご家族お二人を亡くされた歌手の加藤登紀子さん.ゲストのお三方は,いずれも死と向き合うことを通じて生き方の極意を身に付けられた,「死に方を心得た生き方上手」です.対話では,鎌田さん,村上さんの進行のもと,このお三方が“いのち”について語り合いました.そこには,「生きてきてよかったと思える死に方をする」方法のヒントがちりばめられています.
 殺伐としたこの時代,少しのあいだ立ち止まって,「生き方」「死に方」について考えてみる必要があるのはないでしょうか.そのとき,本書が読者の皆様にとって少しでもお役に立てば幸いです.
 なお,今後もNHKラジオ「鎌田實 いのちの対話」より,岩波ブックレット化を予定しているものがあります.どうぞご期待ください.
巻頭エッセイ
鎌田 實

理想の死に方

残された者にとって納得できる死とは

よい死に方の実践

自分らしく生き切る
鎌田 實,山折哲雄,嵐山光三郎,加藤登紀子,村上信夫

「いのちの対話」追記
死に方上手は生き方上手
村上信夫

巻末付録 加藤登紀子ディスコグラフィー
鎌田 實(かまた・みのる)
1948年,東京都生まれ.諏訪中央病院名誉院長.東京医科歯科大学医学部卒業.一貫して「住民と共に作る医療」を実践するとともに,チェルノブイリ,イラクへの医療支援も行う.『がんばらない』『あきらめない』『なげださない』など著書多数.

山折哲雄(やまおり・てつお)
1931年,米国サンフランシスコ生まれ.宗教学者.東北大学大学院博士課程修了.国立歴史民俗博物館教授,国際日本文化研究センター所長などを歴任.日本人の心の奥底に流れる宗教意識を探求.『近代日本人の宗教意識』『生老病死の人生八十年』など著書多数.

嵐山光三郎(あらしやま・こうざぶろう)
1942年,静岡県生まれ.作家.國學院大學国文科卒業.平凡社に入社し,雑誌『太陽』編集長を経て,39歳で独立.五度にわたり生死の境をさ迷った経験から,『死ぬための教養』を執筆.ほかに『素人庖丁記』『文人悪食』『不良定年』『悪党芭蕉』など著書多数.

加藤登紀子(かとう・ときこ)
1943年,旧満州ハルビン生まれ.東京大学在学中,歌手デビュー.「赤い風船」でレコード大賞新人賞,「ひとり寝の子守唄」「知床旅情」で日本レコード大賞歌唱賞を受賞.2000年,UNEP(国連環境計画)親善大使に任命.著書に『青い月のバラード』『絆』など.

村上信夫(むらかみ・のぶお)
1953年,京都府生まれ.NHKチーフアナウンサー.明治学院大学社会学部卒業.「鎌田實 いのちの対話」「ラジオビタミン」などを担当.著書に『元気のでてくることばたち!』『おやじの腕まくり』『言えなかったありがとう.』がある.

書評情報

がん治療最前線 2008年10月号
ヘルスtoday 2008年10月号
ダ・ヴィンチ 2008年9月号
丹波新聞 2008年8月21日号
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