脱「世界同時不況」

オバマは金融危機を克服できるか

『世界金融危機』に続く世界金融の未来を読みとく必読本.オバマの狙うグリーン・ニューディールとは?

脱「世界同時不況」
著者 金子 勝 , アンドリュー・デウィット
通し番号 758
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット
日本十進分類 > 社会科学
刊行日 2009/06/26
ISBN 9784000094580
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 96頁
在庫 品切れ
昨秋大反響をいただいた『世界金融危機』に続く世界金融の未来を読みとくための必読本.アメリカに端を発した世界金融危機以降,地方財政はますます深刻化し,雇用状況は悪化,消費マインドは停滞している.グリーン・ニューディールによって,オバマは世界経済を救えるのか? そして,日本は立ち直れるのか?

■著者からのメッセージ

読者にくれぐれも本書を誤読しないようにお願いしたい.たしかに,いまオバマの悲劇が始まろうとしている.本書はそのことを詳細に明らかにしている.それは,米国経済の回復を待つという従来からの米国頼みの思考法を断ち切ることが必要であり,米国の景気回復待ち,オバマ政権頼みでは日本経済は再生しないということを教えている.世界に先駆けて,バブル破綻処理の失敗と市場原理主義的政策の失敗を経験してきた日本にとって,これは世界の先頭に立つチャンスがめぐってきたことを意味する.そのためには,いかなる意味で,世界が時代の転換期にあるかを認識しなければならない.このことこそ,本書が送り出したい最も強いメッセージなのである.
(「はじめに 日本経済こそが経済危機」より)

■編集部からのメッセージ

ベストセラー,『世界金融危機』に続く第2弾! 刊行日が遅れ,ご迷惑をおかけいたしましたこと,お詫びいたします.4月から5月にかけて(もちろん,今も続いていますが),アメリカの銀行のストレステストの結果が明らかになり,GMの処理が決まり……と,オバマ政権の経済政策の根幹にかかわる重要事項が報道されました.方針大転換か,とも思えるような大きな変化であり,それらを踏まえて,本書も著者たちがぎりぎりまで事態の推移を中身に反映するため議論を重ね,当初予定を大幅に超える96ページの本となりました.ぜひ,ご一読ください.
はじめに 日本経済こそが経済危機
第一章 三つのチェンジ
第二章 立ちはだかる壁
第三章 デジャヴと緑の闘い
第四章 ウォール街に飲み込まれるオバマ
第五章 出口はどこか?
第六章 それでも環境エネルギー革命は進む
おわりに 新自由主義の時代は終わった
金子 勝
1952年生まれ.経済・財政学者.東京大学経済学研究科博士課程修了.現在,慶應義塾大学経済学部教授.著書に『世界金融危機』『反ブッシュイズム1~3』(いずれも岩波ブックレット,共著),『閉塞経済』(ちくま新書),『地域切り捨て』(岩波書店,共編著),『環境エネルギー革命』(アスペクト,共著),『戦後の終わり』(筑摩書房),『粉飾国家』(講談社現代新書)など多数.
アンドリュー・デウィット(Andrew DeWit)
1959年カナダ生まれ.政治経済学者.立教大学経済学部教授.ブリティッシュ・コロンビア大学政治学博士.下関市立大学経済学部助教授を経て現職.共著に『世界金融危機』『反ブッシュイズム1~3』(いずれも岩波ブックレット),『環境エネルギー革命』(アスペクト).
ページトップへ戻る