日本軍「慰安婦」制度とは何か

「慰安婦」制度が日本軍によってつくられたことを,様々な史料を用いながらていねいに説明する.

日本軍「慰安婦」制度とは何か
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著者 吉見 義明
通し番号 784
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット
日本十進分類 > 社会科学
刊行日 2010/06/09
ISBN 9784002707846
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 63頁
定価 本体520円+税
在庫 在庫あり
元日本軍「慰安婦」だった金学順さんが日本政府に謝罪と賠償を求めて名乗り出てから20年──「強制」ではなく「自由意志」だったとする声がいまだに多く聞かれるのはなぜだろうか.「慰安婦」制度が軍によってつくられたことを,様々な史料を用いながら説明するとともに,被害者の名誉と尊厳の回復の必要性を訴える.

■著者からのメッセージ


 元日本軍「慰安婦」(「従軍慰安婦」)だった金学順(キム・ハクスン)さんが日本政府に謝罪と賠償を求めて名乗り出たのが一九九一年でしたから,今年で二〇年近くがたちます(以下,日本軍「慰安婦」は軍「慰安婦」と略記します).軍「慰安婦」だった女性たちは高齢なので,つぎつぎに亡くなっています.それでも,女性たちの名誉と尊厳は回復されず,問題はまだ解決していません.……
……軍「慰安婦」とされた女性たちの名誉と尊厳が回復されない理由はどこにあるのでしょうか.その理由の最大のものは,軍「慰安婦」制度はどのようにつくられ,どのように維持され,拡大していったかが,日本国内でまだよく理解されていないからだと思います.
 私は,軍「慰安婦」問題とは,女性に対する性暴力と,他民族差別と,貧しい者に対する差別が重なって起きた問題だと思います.そして,この問題の根本的な解決を放置すると,世界やアジアで日本の信用を失い,将来に大きな禍根を残すことになるのではないかと思います.しかし,もしこの問題を解決すれば,被害を受けた女性たちの名誉と尊厳を回復することができるだけでなく,性暴力の根絶や他民族差別の克服という課題のために日本は大きな貢献をすることになると思います.
――「はじめに」より
はじめに

I 日本軍「慰安婦」制度とは何か

II 五つの「事実」の検証
 

強制はなかったか
――第1の「事実」の検証
 

朝鮮総督府は業者による誘拐を取り締まったか
――第2の「事実」の検証
 

軍による強制は例外的だったか
――第3の「事実」の検証
 

元軍「慰安婦」の証言は信用できないか
――第4の「事実」の検証
 

女性たちの待遇はよかったか
――第5の「事実」の検証
 
補論 女性たちは募集広告をみて自由意志で応募したか

おわりに――問題の解決のために
吉見義明
1946年山口県に生まれる.1970年東京大学文学部卒業,1972年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了.現在中央大学商学部教授.専攻日本近現代史.
主著に『従軍慰安婦』(岩波新書),『毒ガス戦と日本軍』(岩波書店),『草の根のファシズム』(東京大学出版会),『毒ガス戦関係資料』『毒ガス戦関係資料2』(以上共編,不二出版),『従軍慰安婦資料集』(編著,大月書店),『共同研究 日本軍慰安婦』(共編,大月書店),『資料日本現代史4 翼賛選挙1』『資料日本現代史5 翼賛選挙2』『資料日本現代史10 日中戦争期の国民動員1』『資料日本現代史11 日中戦争期の国民動員2』(以上共編,大月書店)などがある.

書評情報

しんぶん赤旗 2010年7月25日
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