いま,憲法の魂を選びとる

私たち自身の生き方をどのような形で選ぶのかが問われている.国民主権を守るために,もう一度,考える.

いま,憲法の魂を選びとる
著者 大江 健三郎 , 奥平 康弘 , 澤地 久枝 , 三木 睦子 , 小森 陽一
通し番号 867
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット > 法律
日本十進分類 > 社会科学
刊行日 2013/04/04
ISBN 9784002708676
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 64頁
在庫 品切れ
問われているのは,私たち自身の生き方をどのような形で選ぶのか,ということである.憲法は戦後,私たちに何をもたらしてきたのか.私たちは憲法を活かし,憲法を生きてきたか.その長い道程を振り返ることなく,私たちが獲得してきた権利を剥奪の危機にさらしてはならない.国民主権を守るために,もう一度,考える.


■編集部からのメッセージ
 2012年12月の衆議院総選挙により政権与党となった自民党.その第二次安倍内閣のもと,自民党が「党の使命」と掲げる憲法改正への動きが,あらためて議論を呼んでいます.そのなかで今もっとも焦点化されているのが,「第96条」の改正をめぐるものです.
 現行の日本国憲法は,その第96条において,憲法を改正するための手続き要件の一つとして「各議院の総議員の3分の2以上の賛成で,国会が,これを発議し」と定めています.その「3分の2以上の賛成」を「過半数の賛成」とハードルを下げることを,安倍政権は提案しているのです.
 この改正提案が何を意味するのか,それが持つ問題点を明確に示すと同時に,「アメリカから押しつけられた」と言われる現行憲法が戦後,その実態として,私たち国民の生活の何を守り,何を与えてきたのか,また,私たちは憲法から何を学び取ってきたのか,ふり返るのが本書です.
 2012年9月におこなわれた「九条の会」講演会をもととし,あらたに,憲法学者の奥平康弘さんと日本文学研究者の小森陽一さんによる対談を加え,一冊としました.
 この憲法でなかったら,これまでの私たちの生活はどうなっていたのでしょうか? そして,自民党が提案する「憲法改正草案」が実施されることになったならば,私たちの生活は一体どうなるのでしょうか? 
 憲法は,まさに私たちの生活に直結しています.そして,主権者は私たちなのです.私たち国民が,選ぶ.自分がどのような生活を,生き方をしたいのか,選ぶ.その大切さを,これまでの歴史のなかに確認し,次の世代に引き継ぐことが,いま問われています.
あなたのおじいちゃまはねぇ  三木睦子

この国は民主主義の国か  大江健三郎

いま一度,魂を選びとる  奥平康弘

意志と勇気が試されるとき  澤地久枝

‹対談› 国民主権を守る思想としての憲法  奥平康弘・小森陽一
九条の会
2004年6月発足.日本国憲法9条「改正」の動きに警鐘を鳴らし,「改憲」のくわだてを阻むための一人ひとりの努力を呼びかける.このアピールに呼応して結成された各地の九条の会は,2010年時点で7500を超える.
呼びかけ人は,井上ひさし,梅原猛,大江健三郎,奥平康弘,小田実,加藤周一,澤地久枝,鶴見俊輔,三木睦子の9人.
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