書籍文化の未来

電子本か印刷本か

急速に進む本の電子化.そのもたらすものは利点ばかりではない.書籍文化とは何か,改めて問い直す.

書籍文化の未来
著者 赤木 昭夫
通し番号 873
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット
日本十進分類 > 社会科学
刊行日 2013/06/04
ISBN 9784002708737
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 64頁
定価 550円
在庫 在庫あり
世界中を覆い尽くそうとする電子化の波.本もまたその中で大きな変容を始めています.グーテンベルグ以来の革命といわれる本の電子化によって,人間の文化はどんな影響を受けるのでしょうか.最先端アメリカを初めとして,世界と日本の出版事情を俯瞰しながら,書籍文化の現状を見つめ,行くべき道を提言します.

■編集部からのメッセージ

 iPad,リーダー,kobo他,電子書籍リーダーが次々に登場,電子商取引の体制も整って,電子書籍の展開が本格化しつつあります.グローバル化と電子化の巨大な波が,日本の出版界と本の文化(書籍文化)を翻弄しています.この波の中で,いったい何が変化し,「読む」という営みはどのように変わろうとしているのでしょうか.
 著者は,まず世界の出版文化の現在を鳥瞰します.巨大なメディア資本の動き,中国など新興国の文化戦略,アマゾンという巨大な「書店」の現状と展望などです.そして,その世界的な大転換の中に,電子化を位置づけようとするのです.
 衰退久しい日本の書籍文化.世界の中で見た時,それは単なる本の売上の問題ではなく,日本人の知的関心の衰退を表わしているのではないか.技術や道具の問題として電子本を考えるのではなく,「読む」文化,「読む」ことによって人格を形成し,社会の発展をつないできた「書籍文化」の本質を見直す中から,現在の変化を捉え,書籍文化のあるべき姿を提言します.
赤木昭夫(あかぎ・あきお)
1932年生まれ.NHK解説委員,慶応義塾大学教授,放送大学教授のあと,著述活動に専念.著書に『インターネット社会論』『インターネット・ビジネス論』『反情報論(双書 時代のカルテ)』(いずれも岩波書店)ほか.

書評情報

読売新聞(朝刊) 2013年6月9日
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