アルコールとうつ・自殺

「死のトライアングル」を防ぐために

適量を越えた継続的な飲酒がうつ状態や自殺への衝動を助長することに警鐘を鳴らし,対策を具体的に提示.

アルコールとうつ・自殺
著者 松本 俊彦
通し番号 897
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット > 社会
日本十進分類 > 社会科学
刊行日 2014/05/08
ISBN 9784002708973
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 80頁
在庫 品切れ
自殺予防対策に奔走してきた精神科医が,様々な調査や統計データ,診療経験をもとに,適量を越えた継続的な飲酒がうつ病・うつ状態や睡眠障害,ひいては自殺への衝動を助長することに警鐘を鳴らす.家族や友人,職場の同僚,医療者等の認識と働きかけの大事さ,そして本人や家族をどう支援していけばよいのかも具体的に提示する.


■編集部からのメッセージ
 うつ病対策だけでは男性の自殺は防げない――.講演や執筆などで日々,自殺予防対策に奔走している精神科医が,様々な調査・統計データと診療経験をもとに,適量を越えた継続的な飲酒により,うつ状態や睡眠障害,ひいては自殺への衝動がどのように助長されるのかを詳しく解説するブックレットです.当事者だけでなく,その家族や友人,同僚,医療者等に求められる認識と行動の要点を述べ,アルコール依存という「否認の病」を否認する社会のなかで,本人や家族を支える方法を具体的に示します.
 「追い詰められたときは,飲みながら物を考えない」「悩んでいる同僚がいたら一緒に晩飯ではなくランチを」「酒は二合まで」「眠れないときには専門医に相談を」「大酒した翌朝が危ない」…….働きざかりの呑兵衛には耳の痛い,けれどもたいへん貴重な情報が満載の一冊になっています.
はじめに
第1章 うつ対策だけでは男性の自殺を防げない
第2章 アルコール問題と自殺に関するエビデンス
第3章 なぜアルコールは自殺リスクを高めるのか
第4章 男性の自殺予防のためにできること
第5章 否認の病を否認する社会
引用文献一覧
松本俊彦(まつもと・としひこ)
1967年生まれ.精神科医.医学博士.国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 自殺予防総合対策センター副センター長,薬物依存研究部診断治療開発研究室長.
佐賀医科大学医学部卒.神奈川県立精神医療センター,横浜市立大学附属病院精神科などを経て現職.
『自傷行為の理解と援助』(日本評論社),『薬物依存の理解と援助』『薬物依存とアディクション精神医学』(以上,金剛出版),『アディクションとしての自傷』(星和書店),『中高生のためのメンタル系サバイバルガイド』(編,日本評論社),『自傷・自殺する子どもたち〈子どものこころの発達を知る〉』(合同出版)ほか.
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