灰色の地平線のかなたに

「私は生きたい」──シベリアの強制労働収容所に追放された15歳のリナ.不幸な時代を懸命に生きた少女,人間の真の強さを描く.

灰色の地平線のかなたに
著者 ルータ・セペティス , 野沢 佳織
ジャンル 書籍 > 児童書
対象年齢 > 中学生から
刊行日 2012/01/25
ISBN 9784001156515
Cコード 8097
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 398頁
在庫 品切れ
第二次大戦中のリトアニア──画家をめざしていた15歳のリナは,ある晩突然,ソ連の秘密警察に捕まり,シベリアの強制労働収容所へ送られます.母親と弟,仲間とともに,極寒の地で過酷な労働と飢えに耐えながら,リナは離ればなれになった大好きな父親のため,そして,いつか自由になれる日を信じて,絵を描きためていきます.人間の真の強さを描いた話題作.


■編集部からのメッセージ

「シベリアに追放された人間にとって,結果はふたつしかない.成功とは,生き延びること.失敗とは,死ぬこと.私は生きたい」
大学教授を父に持つ15歳の少女リナは,画家になることを夢見て,リトアニアで幸せに暮らしていました.1941年6月のある晩,突然ソ連の秘密警察が乱暴に家に踏み込んできます.「20分でしたくしろ!」 それは,シベリアの強制労働収容所への長い旅の始まりでした.
母親と弟とともに連れてこられた極寒の地で,過酷な労働と飢え,仲間の死に耐えながら,リナはどこか遠くの収容所にいる大好きな父親のため,そして,いつか自由になれる日を信じて,日々の記録として絵を描きためていきます.収容所の仲間の一人,アンドリュスとは,しだいにあわい恋心を抱くようになるのですが,リナたちが別の収容所に移送されることに.アンドリュスはリナに約束します.「いつかリトアニアに戻ろう.必ずきみを見つける」と.
祖父がリトアニア軍将校だったという作者は,なんとアメリカの第一線で活躍する音楽プロデューサー.シベリアの収容所からの生還者に直接取材をして生み出されたこの作品は,重厚さとエンターテイメント性を兼ね備え,世界十数カ国で読まれています.
不幸な時代を懸命に生き抜いたリナたちの人間の真の強さとは,尊厳とは何かを問いかける作品です.

書評情報

この本読んで! 2015年夏号
こどもの図書館 2012年10月号
女性のひろば 2012年7月号
毎日新聞(朝刊) 2012年4月29日
東京新聞(夕刊) 2012年3月13日
朝日中学生ウイークリー 2012年2月26日号
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