デモクラシーと国民国家

丸山眞男とともに戦後日本の政治学を理論的にリードした著者(1923-2007年)のオリジナル論文集.

デモクラシーと国民国家
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著者 福田 歓一 , 加藤 節
通し番号 学術219
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 学術
日本十進分類 > 社会科学
刊行日 2009/05/15
ISBN 9784006002190
Cコード 0131
体裁 A6 ・ 並製 ・ カバー ・ 340頁
在庫 品切れ
福田歓一(1923-2007年)は丸山眞男とともに戦後日本の政治学を理論的にリードした政治思想家.本書は岩波現代文庫のために新たに編まれたオリジナル論文集である.ヨーロッパ政治学史への深い学識に支えられて紡ぎ出された同時代的・原理的考察は今日なお,現代を照らす指針としても有用であろう.

■編集部からのメッセージ

政治学者・福田歓一氏の著作は,ほとんどが小社の佐々木毅・加藤節編『福田歓一著作集』全10巻(1998年)に収録されています(現在品切).著書のうち,とくに岩波新書の『近代の政治思想』(1970年)と『近代民主主義とその展望』(1977年)は長く読まれつづけていますが,しかしそれ以外のものは入手しにくくなってきました.そこで,高弟である加藤節氏にお願いして文庫版オリジナル論集を編んでいただいたものが本書です.加藤氏の言葉を借りると,

 編者が,このような論文集を編みたいと考えた理由は二つある.一つは,福田の作品がこの国の読書界でもう少し幅広く手にされる機会を作りたいと考えたことであった.福田の著作は,その学問的水準の高さから言ってもっと読まれていいにもかかわらず,専門家を越えた広範な読者層を必ずしももってはこなかったからである.とりわけ若い世代の便宜を考えて,本書を比較的入手しやすい文庫版にしたのもそのためであった.
 この本を編んだもう一つのより積極的な理由がある.それは,福田が生涯のテーマとしてきた「デモクラシーと国民国家」をめぐる問題が,依然として現代政治学のもっとも切実な論点をなし続けていることであった.現代の政治学は,例えば,差異化を強める人間の統合原理としてのデモクラシーの可能性に確たる信頼を置くことも,また,国民国家が揺らぐ中でそれに代わる政治社会の姿を構想することもできずにいるからである.編者が,現代政治の動向に関心を寄せる人々の理論的な指針として役立つことを期待しつつ,政治思想の歴史に関する深い学識に支えられて提示された「デモクラシーと国民国家」をめぐる福田の思索の跡をあらためて世に問いたいと考えた理由に他ならない.
(「編者はしがき」より)

 書かれた時期は古くても,いま再読してなお新鮮な記述がいくつも見当たります.これを機に若い人にも是非手にとっていただきたいと願っております.
福田歓一(ふくだ・かんいち)
1923-2007年
東京大学名誉教授(政治哲学)
『福田歓一著作集』加藤 節(かとう・たかし)
1944年生まれ
成蹊大学教授(政治哲学)
『政治と人間』『政治と知識人』『南原繁』

書評情報

北海道新聞(朝刊) 2009年9月20日
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