ユング

魂の現実性

超心理学,錬金術,宗教など,神秘主義的な対象を取り上げたユングのラディカルな思想を読む知的評伝.

ユング
著者 河合 俊雄
通し番号 学術330
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 学術
日本十進分類 > 哲学/心理学/宗教
刊行日 2015/09/16
ISBN 9784006003302
Cコード 0111
体裁 A6 ・ 並製 ・ カバー ・ 334頁
定価 1,386円
在庫 在庫あり
フロイト(1856―1939)から袂を分かって個人を超えた無意識を強調し,独自の心理学・心理療法の理論を打ち立て,文学・宗教・芸術など様々な分野に影響を与えたユング(1875―1961).ユングはなぜ超心理学,錬金術,宗教など,神秘主義的ともいえる対象を取り上げたのか.そのラディカルな思想に真正面から取り組んだ知的評伝.


■内容紹介
本書は1998年4月,講談社の「現代思想の冒険者たち」シリーズの1冊として刊行されたものに若干の改訂をほどこし,新稿として「ユング『赤の書』以後――文庫版への補遺」を加えたものです.
今日において,外傷理論をはじめとして,因果論的,操作的発想が強くなってきている折りに,再びユングの考え方から学ぶことは非常に意味があることと思われる.本書が少しでもそれに寄与できればと思っている.
――「まえがき」より
まえがき

プロローグ ユングと歴史
第一章 ファルスの夢と石――幼年時代
第二章 イニシエーションと神経症体験――学童時代
第三章 精神医学と現実性(リアリティー)
第四章 フロイト――人間関係・思想
第五章 精神的危機
第六章 分析心理学――自我と無意識の関係
第七章 異文化との出会いとナチズム
第八章 結合
第九章 錬金術と新しい心理学
第十章 ユングと死

ユング略年譜
主要著作ダイジェスト
キーワード解説
読書案内
あとがき
ユング『赤の書』以後――文庫版への補遺索引
索引
河合俊雄(かわい としお)
1957年奈良県生まれ.京都大学大学院教育学研究科修士課程修了.チューリヒ大学で博士号取得.ユング派分析家資格取得.2007年から京都大学こころの未来研究センター教授.著書に『心理臨床の理論』(岩波書店)『概念の心理療法』(日本評論社)『村上春樹の「物語」』(新潮社)『ユング派心理療法』(ミネルヴァ書房)ほか,ユング『赤の書』をはじめ訳書多数.

書評情報

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