向田邦子シナリオ集

寺内貫太郎一家

石屋の三代目・寺内貫太郎の怒鳴り声が今日も響く.さあ,ぶっとばされたのは誰か? 人気ドラマが蘇る.(全6冊)

寺内貫太郎一家
著者 向田 邦子
通し番号 文芸148
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 文芸
日本十進分類 > 文学
シリーズ 向田邦子シナリオ集
刊行日 2009/08/18
ISBN 9784006021481
Cコード 0195
体裁 A6 ・ 636頁
在庫 品切れ
「バカモノ!」──石屋の三代目・寺内貫太郎のどなり声が今日も響く.気は短いが情に厚く涙もろいこの男,何より気にかけるのは娘・静江の結婚である.だが連れてきたのが子持ちの三十男だったから,さあ大変.しっかり者の妻里子,調子のいい浪人生である息子周平,嫌がらせが生きがいの母きん,けなげなお手伝いミヨ子など,さまざまな人物が入り乱れてのドタバタ劇.人気ドラマを抄録する.(全6冊)


■内容紹介
 「バッカヤロ!」 小林亜星扮する寺内貫太郎に今日も誰かがぶっ飛ばされる.気は短いが情に厚く涙もろい――この石屋の主人とその家族,職人や近所の人たちが繰り広げる笑いと涙のドラマは,昭和49(1974)年放送,平均視聴率24パーセントという大人気.
 調子のいい浪人息子・周平を西城秀樹が,お手伝いのミヨちゃんを浅田美代子が,嫌がらせが趣味のおばあちゃんを樹木希林(当時悠木千帆)が,といえば,当時テレビを見ていない世代も,「ああ,あれか」とピンとくるのでは?
 幼い我が娘の足に生涯の傷を負わせた,石屋という因果な商売.足を引きずるようになった娘には幸せな結婚をさせてやりたい,そう貫太郎は願うものの,娘静江が連れてきたのは子連れの三十男.貫太郎が受け入れられるはずもなく,不器用に頑固親父を演じます.しかし娘のことは心配でならない貫太郎.相手を思えばこその行き違いもあり,さて,静江の恋の行方はいったいどうなるのか.弟周平など応援団もからんで大騒ぎ.
 「寺内貫太郎一家」はTBS「水曜劇場」にて,1974年1月16日から10月9日まで,全39回の放送.そのうち静江の結婚を軸とする11話を収録しました.職人のイワさんタメさんなどの話は泣く泣く割愛.代わりに流れがつかめるよう,非収録回すべてに「あらすじ」を付けました.
 親を思い子を思う,でも素直に言葉に表せなくて,不器用に怒鳴ったりぶっとばしたり…….読みながらホロリとさせられること請け合い.ちゃぶ台に落としたおみおつけの実の里芋をぬらぬら追ったり,ご飯をウエッと吐き出し顰蹙を買っているおばあちゃんのキャラクターも痛快.ぜひ読んで,泣いて笑ってください!
 附録には,小林亜星×向田邦子の対談も収録.楽しさも重量級です!
  巻頭エッセイ

寺内貫太郎一家

  附録
  解題「寺内貫太郎一家のころ」
向田邦子(むこうだ くにこ)
1929―81年.東京生まれ.実践女子専門学校卒業後,映画雑誌記者を経て,脚本家として活躍.シナリオ作品に,『冬の運動会』『幸福』『阿修羅のごとく』など.初エッセイ集『父の詫び状』で,作家としても人々を魅了.80年直木賞受賞.エッセイ『眠る盃』『夜中の薔薇』『女の人差し指』,小説『思い出トランプ』『あ・うん』『隣りの女』ほか.『向田邦子全集』(文藝春秋)がある.
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