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カクテル・パーティー

沖縄初の芥川賞受賞の表題作のほか,日本語版初公表の「戯曲 カクテル・パーティー」をふくむ全5編.

カクテル・パーティー
著者 大城 立裕
通し番号 文芸189
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 文芸
日本十進分類 > 文学
刊行日 2011/09/16
ISBN 9784006021894
Cコード 0193
体裁 A6 ・ 322頁
在庫 在庫あり
米国統治下の沖縄で日本人,沖縄人,中国人,米国人の四人が繰り広げる親善パーティー.そのとき米兵による高校生レイプ事件が起こり,国際親善の欺瞞が暴露されていく――.沖縄初の芥川賞受賞の表題作のほか,「亀甲墓」「棒兵隊」「ニライカナイの街」そして日本語版初公表の「戯曲 カクテル・パーティー」をふくむ傑作短編全5編を収録.

編集部より

小説「カクテル・パーティー」は,1967年に著者が沖縄出身の作家として初めて芥川賞を受賞した記念すべき作品です.それは,
米軍統治下の沖縄を舞台にし,米軍属に暴行を受けた娘を持つ主人公が,不利だと分かっている裁判に事件を訴えることを決意するまでの展開を描いた物語である.そのテーマ性と,沖縄の近現代史が重層的に織り込まれた物語は,九五年の事件をはじめとした数々の基地被害をほうふつさせるだけではなく,依然基地の重圧が押し付けられている沖縄をめぐる複雑な政治状況をも浮かび上がらせる.その意味においてこの小説は,決して単なる古色めいた「古典」にはなることはなく,同時代的な緊張を読む者に強いてくる.
――本書「解説」(本浜秀彦)より
本書には,この戯曲版を初めて収録しました.英語に翻訳された戯曲は先月,Living Spirit: Literature and Resurgence in Okinawa という本に収められて刊行されましたが,そのもととなる日本語版は未発表でした.詳しい経緯は著者の「文庫版あとがきに代えて」をご覧下さい.
本書所収の他の短編小説「亀甲墓」(66年),「棒兵隊」(58年),「ニライカナイの街」(69年)と併せてお読みいただくことで,現代の沖縄をめぐる諸問題を考える手掛かりになれば幸です.
亀甲墓(かめのこうばか) 実験方言をもつある風土記
棒兵隊
ニライカナイの街
カクテル・パーティー
戯曲 カクテル・パーティー

戯曲「カクテル・パーティー」の成り立ち
   ――文庫版あとがきに代えて――

解説               本浜秀彦
大城立裕 (おおしろたつひろ)
 1925年,沖縄県生まれ.43年,上海・東亜同文書院大学入学.米軍通訳,教員を経て,琉球政府に勤務.86年に沖縄県立博物館館長を定年退職するまで,公務員生活の傍ら執筆活動を続ける.「普天間よ」「小説 琉球処分」「朝,上海に立ち尽くす 小説東亜同文書院」「対馬丸」「日の果てから」など.

書評情報

北海道新聞(夕刊) 2020年1月27日(評者:大城立裕さん)
東京新聞(朝刊) 2017年9月9日
山梨日日新聞 2017年8月27日

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