読む力・聴く力

「読むこと」「聴くこと」を深く実践してきた三者が,その意味と現代の人間の生き方との関わりを問う.

読む力・聴く力
著者 河合 隼雄 , 立花 隆 , 谷川 俊太郎
通し番号 文芸270
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 文芸
日本十進分類 > 文学
刊行日 2015/10/16
ISBN 9784006022709
Cコード 0195
体裁 A6 ・ 並製 ・ カバー ・ 188頁
定価 814円
在庫 在庫あり
人間の精神活動の基本である「読むこと」「聴くこと」は,高度情報社会のいま,どれだけ人間の生き方や社会のあり方に関わる深い体験になっているのか.本書では臨床心理・詩・ノンフィクションの分野で日本を代表する三人が,それぞれの「読むこと」「聴くこと」についての体験を語り,現代におけるその意味を問い直す.


■内容紹介
 高度情報化社会のいま,パソコン,スマートフォン,タブレット端末の普及などによって人間の「読む」「聴く」という行為をめぐる環境は劇的に変わりつつあります.そのなかで,「読むこと・聴くこと」は,どれだけ人間の生き方や社会のあり方に関わる深い体験になっているのでしょうか.心理・ノンフィクション・詩の分野で日本を代表する三人が,それぞれの創作の現場での「読むこと・聴くこと」についての体験を語り,現代におけるその意味を問い直します.最初に,河合隼雄の臨床現場でのクライアントの話を「聴く」聴き方や,立花隆の取材における知りたいことを徹底的に「聞く」聴き方などそれぞれのプロとしての方法論などが語られる講演.次に,谷川俊太郎の「読むこと」「聴くこと」に関する味わい深い詩のアンソロジー.最後に三人の三つ巴のシンポジウムで展開される熱くて刺激的な議論.これを読めば,本を読むときや講演を聞くときの意識が変わること請け合いです.また「読むこと・聴くこと」は,人間が生きていくことに深くかかわっている,とう筆者たちの意見にも納得できるでしょう.

※この本は,「絵本・児童文学センター」主催第十回文化セミナー「読む 聞く」(2005年11月20日,小樽市民会館)の記録をもとにし,2006年11月7日,岩波書店より刊行されました.
◆はじめに
「読む 聴く」の大切さ  河合隼雄
生涯何冊本を読めるか  立花 隆
言葉のほかにも  谷川俊太郎

◆講演
読むこと・聴くこと・生きること  河合隼雄
人間の未来と読むこと・聴くこと  立花 隆

◆アンソロジー
小アンソロジー  谷川俊太郎

◆シンポジウム
読む力・聴く力  河合隼雄・立花 隆〈司会〉谷川俊太郎

あとがき  河合隼雄
現代文庫版あとがき  立花 隆
河合隼雄(かわい はやお)
1928年兵庫県生まれ.臨床心理学者.京都大学理学部卒業.日本初のユング派分析家資格取得.京都大学教授,文化庁長官などを歴任.2007年7月逝去.『河合隼雄著作集』(岩波書店)がある.

立花 隆(たちばな たかし)
1940年長崎県生まれ.ノンフィクション作家.東京大学文学部卒業.著書多数.1983年菊池寛賞,1998年司馬遼太郎賞,2014年『読書脳 ぼくの深読み300冊の記録』で毎日出版文化賞書評賞受賞.

谷川俊太郎(たにかわ しゅんたろう)
1931年東京生まれ.詩人.代表作『二十億光年の孤独』をはじめ,著書多数.『谷川俊太郎全詩集』(岩波書店 CD-ROM版)がある.

書評情報

読売新聞(朝刊) 2015年11月8日
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