〈子どもとファンタジー〉コレクション I

子どもの本を読む

「読まないと損だよ」.心理療法家が大人にも子どもにも読んでもらいたい児童文学の傑作を紹介する.

子どもの本を読む
著者 河合 隼雄 , 河合 俊雄
通し番号 社会254
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 社会
日本十進分類 > 文学
シリーズ 〈子どもとファンタジー〉コレクション
刊行日 2013/06/14
ISBN 9784006032548
Cコード 0195
体裁 A6 ・ 並製 ・ カバー ・ 260頁
定価 1,144円
在庫 在庫あり
「読まないと損だよ」.心理療法家が大人にも子どもにもできるだけ多くの人に読んでもらいたい児童文学の傑作を紹介する.ケストナー,ピアス,ロビンソン,今江祥智,ヘルトリング,リンドグレーン,ゴッデン,長新太,佐野洋子.大人の見落としている「たましい」を子どもの目から捉えた作品が私たちに教えてくれるのは何か.(解説=石井睦美)


■内容紹介
 心理療法家・河合隼雄が,子どもだけでなく大人にも,できるだけ多くの人に読んでもらいたい児童文学を紹介します.ここに取り上げられている9人の作家の原作も併せてお読みになることをお勧めいたします.
「児童文学の名作を読むと,心を洗われたように感じたり,癒しを感じたりする.あるいは生きてゆくための勇気を与えられたように感じるときもある.」

「心理療法家というのは,結局は来談した人と自分自身のたましいのはたらきを最大限にするような場を提供する者ではないか,と考えている.」

「私は来談したクライエントに向かうように,これらの作品に向かい,自分の存在を揺がされるような体験を味わう.そのような体験を通じてこそ,たましいについて少しずつ「知る」ことが可能となる.……そのような作業は,何か心理学の一般的ルールがあって,それを作品に「当てはめ」て作品を「解釈」するなどというのとは,まったく異なるものである.」
――「児童文学とたましい」より

 本書は光村図書の季刊誌『飛ぶ教室』創刊号(1981年12月)から3年12回にわたって連載された「子どもの本を読む」をもとに85年単行本として同社から刊行されました.90年に楡出版から,96年に講談社(+α文庫)から再刊され,河合隼雄著作集第4巻(94年)では,紙数の都合でボーゲル,スナイダー,ハンターの3章が割愛されました.文庫化に当たっては著作集版を底本としました.
児童文学とたましい

序章 なぜ子どもの本か
1 ケストナー『飛ぶ教室』
2 ピアス『まぼろしの小さい犬』
3 ロビンソン『思い出のマーニー』
4 今江祥智『ぼんぼん』『兄貴』『おれたちのおふくろ』
5 ヘルトリング『ヒルベルという子がいた』
6 リンドグレーン『長くつ下のピッピ』『ピッピ船にのる』『ピッピ南の島へ』
7 ゴッデン『ねずみ女房』
8 長新太『つみつみニャー』他
9 佐野洋子『わたしが妹だったとき』

解題
解説

石井睦美
〈子どもとファンタジー〉コレクション刊行によせて

河合俊雄
河合隼雄(かわい はやお)
1928年兵庫県生まれ.京都大学理学部卒業.1962年よりユング研究所に留学,ユング派分析家の資格取得.京都大学教授,国際日本文化研究センター所長,文化庁長官を歴任.2007年7月逝去.著書に『コンプレックス』『昔話と日本人の心』『未来への記憶』ほか.

河合俊雄(かわい としお)
1957年奈良県生まれ.京都大学教育学研究科博士課程修了.ユング派分析家資格取得.京都大学こころの未来研究センター教授.著書に『心理臨床の理論』『概念の心理療法』ほか.
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