新刊

上方芸能事典

上方芸能の豊穣な世界を,人名・事項・地名などのキーワードで解説.鑑賞の際にも最適のハンドブック.

上方芸能事典
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著者 森西 真弓
ジャンル 書籍 > 辞典
日本十進分類 > 芸術/生活
刊行日 2008/03/11
ISBN 9784000803113
Cコード 0570
体裁 B6 ・ 上製 ・ 646頁
定価 本体4,000円+税
在庫 在庫あり
能,狂言,文楽,歌舞伎,舞踊,音楽,落語,講談,漫才,浪曲,新派,喜劇,レビュー,民俗芸能など,上方芸能の豊穣な世界を,歴史的変遷と文化史的意義を視野に入れて,ジャンルを超えたキーワード(人名・事項・地名など)で平易に解説.鑑賞の際のハンドブックとしても最適な,「読む事典」.

■『上方芸能事典』について

 『上方芸能事典』は,上方で生まれ,現在も上演されている芸能を取り上げた事典です.対象としているジャンルは,能,狂言,文楽,歌舞伎,舞踊,音楽,落語,講談,漫才,浪曲,新派,喜劇,レビュー,さらには民俗芸能も含んでいます.
  これらの芸能は,それぞれ独立して存在していると同時に互いに密接に関わってもいます.たとえば,能『船弁慶』の内容は文楽や歌舞伎の『義経千本桜』に取り入れられ,落語『舟弁慶』をも派生させているように,テキストとしても,実際の上演に際しても,共有している情報がたくさんあります.
  そこで,この事典では,上方芸能を個別にではなく,横断して捉えることにしました.演目や作品名で項目を立てるのではなく,人名,地名,事項をキーワードに,全体を俯瞰していただけるよう意図したのです.執筆に際しては,それぞれの歴史的変遷や文化史的意義を視野に入れながら,コンパクトな形で平易に解説することで,上方芸能の豊饒な魅力を総合的にお伝えできればと考えました.
  さらにこの事典では,中世,近世生まれの伝統芸能だけでなく,近代以降に誕生した新派やレビューを扱っているのも特色です.今年創立百二十年を迎えた新派の原型である壮士芝居は大阪で旗揚げされました.来年で九十五周年,百周年へ向けたカウントダウンが始まる宝塚歌劇は兵庫県が発祥地で,今も本拠地です.近年の現代演劇やミュージカルの隆盛に関西文化が果した役割もまた大きかったのです.
  人名に関しては,昭和二十年までに何らかの記録すべき業績のある方たちを収録しています.作者,演者,興行関係者,作中に登場する歴史上,創作上の人物に加え,それらの周辺で芸能振興に関わった人びとや活動の紹介も行っています.観阿弥,世阿弥から武智鉄二まで,幅広い人物を取り上げました.
  執筆に当ったのは,関西の地にあって上方芸能の普及や啓蒙に微力を尽くしている五人です.森西真弓(雑誌『上方芸能』編集長・立命館大学教授)が狂言,歌舞伎,新派,石淵文榮(能楽ジャーナリスト)が能,舞踊,音楽,くまざわあかね(落語作家)が落語,漫才,講談,浪曲,広瀬依子(『上方芸能』編集次長)が文楽,レビュー,民俗芸能,南里実(『上方芸能』編集部)が能,舞踊,音楽,をそれぞれ中心に担当しました.
  本書を事典として利用するのはもちろん,読み物として楽しんでいただきながら,舞台鑑賞の手引きとして役立てていただけたら幸いです.さらには,落語ファンが文楽を,歌舞伎ファンが能を,新たに見始めるという風に,芸能愛好家の関心が広がれば,なお嬉しく存じます.
  多くの先人たちによって受け継がれてきた伝統文化を,これからも絶やすことなく未来へつなげていくために,『上方芸能事典』がいささかの役割を果せればと願っています.
(森西 真弓)
森西 真弓
1955年京都市生まれ.京都女子大学卒業.現在,立命館大学教授,雑誌『上方芸能』編集長.
主著に『上方芸能への招待』(上方芸能出版センター)『上方芸能手帖』(同)『上方芸能の魅惑-鴈治郎・玉男・千作・米朝の至芸』(NHK出版)『吉田玉男 文楽藝話』(日本芸術文化振興会)
石淵 文榮
能楽ジャーナリスト
くまざわあかね
落語作家
広瀬依子
雑誌『上方芸能』編集次長
南里実
雑誌『上方芸能』編集部

書評情報

クロワッサン 2009年4月25日号
京都民報 2008年6月1日
静岡落語往来 2008年5月号
東京新聞(朝刊) 2008年3月23日
東京新聞(夕刊) 2008年3月13日
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